
03_28
ボクはシシーではない。男が好きなわけでもない。本当に。ただ……何と言うか、事は、思い通りに進まないものだということ。簡単に済むはずのことだったのに。……たった2日ほどちょっとスイッチするだけのことだったのに。でも、実際には、そう簡単には進まなかったのだった。
ボクと姉は双子だ。事実上、瓜二つと言っていい。確かにボクは髪を短くしてるし、ジェンダーも異なる。だけど、それを除くと、ボクたちはそっくりに見える。だけど、似ているところはそこまでだ。ボクがずっと前から物静かで控えめなのに対して、姉は非常に社交的だ。それに、勉強ではボクは子供の頃からずっと優秀だけど、姉は勉強ができなくて苦しんでいるのは秘密でも何でもない。そして、そこが問題だった。
姉はチアリーダーの奨学金を得ていた。でも、奨学金は一定レベルの学業成績を収めていることが条件となっていた。さっきも言ったように、姉は勉強は全然得意じゃない。手短に話すと、姉は単位を2つ落としそうになっていて、ボクのところに助けを求めてきたのだった。ボクは勉強を教えようとしたけど、姉は全然理解できない。どうしたらよいか分からなかった。姉は、落第したら奨学金を失うことになってしまう。
その時、姉はあることを思いついたのだった。姉の代わりにボクがテストを受けたらどうだろうと。ちょっと化粧をしてウイッグを被ったら、誰も違いに気づかないだろうと。ボクは、しぶしぶ求めに応じた。
テストは計画通りに進み、ボクはこれで合格だろうと思った。だけど、その時、姉のボーイフレンドが教室を出るボクを見かけたのだった。どうしたらいいだろうと思った。その場で、ボクが誰であるかを彼に言うわけにはいかなかった。それを誰かに聞かれたら、どうなるか分からない。そこでボクは彼に体を触られるがまま、彼に合わせることにしたのだった。
その後、どうなったのかよく覚えていない。でも、気づいたときには、ボクたちは彼の寮の部屋でふたりっきりになっていた。そして、ボクは床に正座し、彼のペニスをしゃぶっていた。裸にされていた。だから、彼はボクが姉でないことを知っていた。だけど、彼もボクもそのことについては何も言わなかった。
さっきも言った通り、事は思い通りに進まないことがあるものだ。