
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ジョーイは何と言ってよいか分からなかった。彼は予定より早く家に帰ったのだった……早くも彼はそれを後悔している。玄関ドアを入ったところで、彼は、何も言えず突っ立っていた。目の前に展開する光景を理解しようとして。
ここにいるのは、ジョーイの人生でも最も大切なふたり。ガールフレンドのバネッサと、ルームメイトのトニーである。……そのふたりが素っ裸でいる。バネッサは階段に座って、小さなピンク色のバイブをトニーのアヌスに入れている。
この人がトニーだとジョーイは分かってる。親友の面影が見えている。……でも、知ってるトニーとはあまりに違っていた。ジョーイが離れていたのはたった半年。なのに……なんてことだ! トニーの髪は長くなっていた。化粧をしているし、体毛はすっかり消えていた。どう見ても女の子にしか見えない……脚の間の小さなモノを除いては。
ガールフレンドが浮気をしていた。それだったならジョーイも対処できただろう。愉快なことではないけれど、何とか対処できたと思う。相手が自分の一番の親友だからとやり過ごすことができたかもしれない。
でも、ここにいるふたりは、どう見ても、レズビアンのカップルにしか見えなかった。「いったいどういうこと?」 丸々1分も沈黙を続けた後、ジョーイはようやく呟くことができた。
トニーが彼の方を振り返った。少し顔を赤らめ、にっこりと微笑んだ。バネッサも笑顔になった。
「ねえ、一緒にしない?」 と彼女は言った。