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心が望むものをすべて 5 (5) 


匿名の通報を受け、警察が地元のモーテルの1室に踏み込み、この地域の女性に対しての連続性犯罪との関連で、2人の男の身柄を拘束したというニュースである。この踏み込みで、デジタルカメラ、ビデオ装置、加えて、過去の犯罪の証拠を含むと思われるデジタルディスクも押収されたという。警察が現場に到着した時には、部屋のドアは、押し破られた形跡があり、問題の2人の男は、手錠を掛けられ、殴打された状態だったと言う。さらに伝えられたところによると、性的な暴行も受けていたと。現在、2人は地元の病院に収容されており、罪状認否の取調べは、退院を待って行われる。この2人に対して、明らかに、何らかの復讐が行われたと考えられるが、現時点では、警察はその容疑者は把握していない。2人の退院を待って、さらに情報が得られると思われる・・・

そして、このニュースが流れてすぐ、私は彼女の姿を見たのだった。グウェンが、私たち仲間の3人に、「ゴサム」という新しいクラブが開店したと教えてきたのだった。早速、金曜日の夜に、いつもの4人でその店をチェックしに行くことになった。店の装飾は、陰鬱とした不気味な雰囲気を醸し出したもので、かなりゴシックの影響を受けたものだった。照明が暗い小部屋がたくさん合って、通路も入り組んでいる。探検する気持ちでいないと、迷ってしまいそうな作りだった。

そして、そこのダンスフロアにダニーがいたのである。別の女性と一緒にダンスをしていた。相手の女性は私に背を向けていたので分からなかったが、ダニーの方は、確かだった。あのゴージャスな体も、あの燃えるように赤い髪も、他の人に見間違えることはなかった。

2人とも、可愛い淫乱娘のような服装をしていた。深く切れ込んだ胸元、猥褻なほどに短いスカート、そして、危険なほどヒールが高いスティレット・ハイヒール。2人は、ゆっくりとした官能的な音楽のビートに合わせて、体を密着させてダンスをしていた。その空間にいる誰もが、2人に目を奪われているように思えた。

しばらくダンスを続けた後、ようやく相手の女の子は魅惑的な赤毛の女の子の手を両手で握り、フロアから降り、通路に姿を消したのだった。私は2人の跡をつけることにした。客の群集を注意深くかき分けながら進んだ。

小部屋を1つずつ、入り組んだ通路も1つずつ確かめながら、あの2人連れの姿をもう一度見るため、探して回った。2人は店を出てしまったのだろうか? たったあれだけ、数分にもならない時間だけしか、ダニーを見ることが許されなかったのだろうか? あれだけで、後は一生、彼女の姿を見ることができないのだろうか? 

いくら探しても見つからず、絶望してあきらめようとした時だった。暗い、つきあたりのひと気のない小部屋の中に2人を見つけたのだった。

2人は・・・セックスをしていた。部屋の前を通れば、誰にでも見られるような場所なのに。

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