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06 High school cheerleader 「高校チアリーダー」
コウディは典型的な男子ではない。いや、いくつかの点では典型的な男子のところもある。彼は高校3年生だが、同年齢の他の男子と同様、彼は女の子に夢中だ。起きてるときはずっと女の子のことしか考えていない(それに、見る夢も大半が女の子の夢)。彼は特にチアリーダーの女子が大好きだ。そのわけは、彼女たちが履いている丈の短い扇情的なスカートのせいかもしれない。あるいは、彼女たちの動き方のせいかもしれない。ともかく、どこを取っても、チアリーダーは彼のあこがれなのだった。
だが、コウディが普通の男子なのはそこまでだった。彼は他の男子とは違った。彼は他の男子とは違って、成長しても本物の男性にはならなかった。体は小さく、繊細で、愛らしい。端的に言って、彼は絵に描いたようなシシーだった。彼はそれに抗おうとした。自分はシシーだと感じていなかった。彼は他の男子のようになりたかった。そしてそれに応じた振る舞いや服装をした。結果はお笑いネタだった。誰も彼の意図を信じなかった。もっと言えば、彼を知らない人たちは、しょっちゅう彼を女の子と間違った……お転婆の女の子だと。お転婆とは言え、女の子であることは同じだ。
しかし、大学1年の夏、彼はあることを思いついた。みんなが自分のことをシシーだと思っても、自分が望む状態を手に入れたなら、何を気にすることがあるだろうか? そこで彼は自分からチアリーダーに加わるため、入団テストを受けたのだった。計画は完璧に思われた。入団したら毎日、あのゴージャスな女の子たちと一緒に過ごせるのである。いつか、誰か女の子が彼の女性的な外見の中に隠れている部分を見つけ、彼に恋するかもしれない。そんな未来を彼は夢見た。そして、実際に入団が許され、すべてがうまくいくように彼には思えた。
もちろん、彼は男性チアリーダーになれるような筋力はなかった(彼が女の子をリフトするのではなく、女の子たちの方が彼をリフトする方が可能性が高いだろう)。それゆえ、彼は女子チアリーダーの一員へと配属されたのだった。彼は、そのまま続けていこうと決心した。ユニフォーム(伝統的なスカート)を渡されても、文句を言わなかった。それも彼の計画の一部だったから。
だが、彼の計画に含まれていなかったことがある。それは、ありがちなことではあるが、熱中してる対象について知れば知るほど、本当の姿が見えてくるという事実である。来る日も来る日も、ほぼ常時、仲間のチアリーダーたちと一緒にいたコウディは、日に日に、チアリーダーたちの秘密のベールがゆっくりと剥がれていくのを感じ、最後には、彼女たちはそんなに興味深い存在ではないと悟るまでになったのだった。彼女たちは普通の女の子なんだ。みんな自分の友だちだけど、と。
だが、男子学生たちは彼をどう思っていたか……その話はまた今度。