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06 High school reunion 「高校のクラス会」 

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06 High school reunion 「高校のクラス会」

私には高校時代は辛かった。イジメられたとかではない。少なくとも身体的には。そうではなくて、高校の大半、私は無視されっぱなしだったということ。私はあの排他的な集団の一員になりたかった。来る日も来る日も、彼らの様子を外から眺めながら、どうにかして、何かの方法で受け入れてもらえないかと願っていた。

でも、一度も受け入れられることはないだろう。当時でも、そう思っていた。私は他の男子とはあまりに違いすぎる。違っていたいと思ったことは一度もない。でも、自分はそういう人間だったから仕方がなかった。どうして自分は普通じゃいられないのだろう? 毎日、その問いを自分に問い続けていたけれど、決して答えは得られなかった。その代わり、からかいは受け続けた。侮辱も。そして、最悪なことに、しばらく経つと、私は無視されるようになったのだった。私は背景の一部にされ、誰も関心を示さくなった。

高校を卒業した時、もう二度と高校時代の彼らとは会わないだろうと思った。会いたくなかった。さらに高校時代のことすべてを忘れようとした……すべてとは言わなくても、少なくとも、大半は忘れようと。そして自分の人生を進み続け、大学生になり、そこでどうして自分が他と違うかを知ったのだった。本当の自分を発見したのだった。

大学2年の時にホルモンを摂取し始めた。2回ほど、手術も受けた(より大きな手術は顔の整形の方だった)。元々、女性的な顔の表情をしていたけれど、ちょっと売りにできるようなところが欲しかったから。分かってもらえると思うけど。

どうして全部変えてしまわないの? いつも、人からそう訊かれる。実際は、理由は単純。手術が怖いから。どうしてかは分からない。手術は安全だと謳っているし、一度も手術を受けたことがなかったわけでもない。でも、どうしても怖い。それにおカネもかかるし。多少、蓄えはあるけれど、それも限られている。一気に変えてしまうより、(レーザーでの体毛処理とか顔の整形とか)他のところから済ましていく方が理にかなっていると思った。多分、私は変わってるのだろう。知らないけど。

とにかく、さっきも言ったように、高校時代のクラスメートに再会するつもりはなかった。そのつもりはまったくなかったのは確か。でも、不思議なめぐりあわせがあって、10年目のクラス会に招待されたのだった。……そして、その招待状を見たとき、突然、行ってみたい衝動が湧いてきたのだった。どうしてか説明できない。多分、みんなに私がどれだけ変わったか見てほしいと思ったからだと思う。独りよがりでも何でもなく、私は自分でもかなり素敵なルックスになってると言えるから。

鏡を見ながら、どうしても想像してしまう……みんな、私のことに気づくかしらと。気にしてくれるだろうかと。それとも、前と同じく、やっぱり背景の一部になってしまうのだろうかと。


[2018/04/07] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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