
06 New uniform 「新しい制服」
ピートはちょっとトラブルメーカー的なところがあった。……別に深刻なレベルではない。ただ、大半の教師にとってはかなり厄介な存在だとは言えた。すぐに他の生徒とケンカを始める(だが、体がかなり小さいので負けてしまうのが普通)。それに授業の邪魔をするとか、学校中で様々ないたずらを繰り返すとか。しかし、ある日、彼はとうとう、少しやりすぎてしまった。
それは実際、かなり賢い計画だった。たいていの男子高校生と同じく、彼もクラスメートの女子に非常に、非常に興味があった。計画は複雑なものではない……単に、火災報知器の下でちょっと何かを燃やすだけのこと。本当に学校に害をもたらすようなものではない。そこのところは彼も気を使っていた。ただ、その火災警報が、女の子たちが体育の授業の後で着替えをしている時に鳴るようにしたのだった。
言うまでもなく、女子生徒たちはパニックになり、着替えの途中の格好でロッカールームから駆け出した。トップレスだった女子も2人いた。ピートは後で先生に捕まるのは知っていたが、女の子たちの姿を見れれば、それに見合う価値があると思っていた。
だが、ピートが安心できていた状態は、実際に捕まり、学校が非常にユニークな処罰を考え出した時に終わった。学校は彼に丸1年間、女子生徒としてすごすことを求めたのだった。しかも、もっと悪いことに、彼の母親も、それが息子にとって最善だと同意したのだった。
山ほどの買い物を行い、その後、女子としての集中授業を受け、すでに2ヶ月が経っていた。今、彼は気になんかしてないフリをしつつ、壁にもたれかかっている。平気な態度でいることが、嘲りを避ける最善の方法だと彼は考えた。
学校は、依然として彼を男子名であるピートの名前で呼んでいる。彼に立場を忘れないようにさせるためだろう。ピートは不安を感じつつも、それを無視しようとしている。だが、それでも、他の男子生徒が誰一人としてかれのことを男子を見るような目つきで見ていないことが、どうしても気になってしまうのだった……。