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07 Sissy in denial 「否認するシシー」
「どうしてそんな目で見るの? 下着姿の男を見たことがないとか?」と、ティムは振り返った。
マックスは、そんなティムの無邪気な行為を少しも文字通りには受け取らなかった。確かにマックスは、ティムが少し女性的なことは知っていた。だが、それは実際は大したことじゃなかった。身体中の毛を剃り、ちょっと化粧をする男は多い。それに、確かに、ティムはレースのソング・パンティを履くのが好きだが、それはトランクスよりも履き心地がいいからと言っている。ティムはずっと前から自分は完全に普通のストレートの男なんだと言っていた。マックスは疑わしきは罰せずの精神で、ティムの言うことを有利に解釈してあげた。彼が自分はストレートだと言うなら、その通りなんだろう、と。
だが、マックスはティムの目に浮かぶ表情が無視できなかった。それに、あの背中のわずかな湾曲にも目が行ってしまう。それにあのお尻にも……。
姿勢から服装に至る、ティムの様子や姿のすべては、たったひとつのことを達成するためにできてるとしか思えなかった。つまり、彼マックスを焦らすという目的。
「お前って、とんでもないチンポ焦らしオンナだな」 マックスは思わずそう吐き出した。言ってから自分が言ったことに気づいた。「あ、お、俺はただ……」
ティムが遮った。「ボクが焦らしてるだけって誰が言ったの?」