
08 He noticed! 「彼にバレた」
ちゃんと分かっていたんだよ。レディーがする座り方も、脚を組むこととかも。何ヶ月も、行儀を会得するのに使ってきたのに。最初は抵抗した。なんだかんだ言っても、オレは……23歳の男なわけだし。女になりたいなんて思ってもいないし。ましてや10代の女子高生なんて! でも、オレはそれに文句を言える立場にはない。自分がどうして女体化されたかも分からないんだ。ただ、気がついたら、こうなっていた。これは実験なんだよって、あの人たちは言ってるけど……
自分の正体を誰にも知られないようにしろと言われた。そんなの簡単だと思っていた。見た目が女子高生なのは確かだし。それに1年近くに及ぶトレーニングや条件付けで、ほとんど、女子高生っぽく振る舞うしかできない体になっていたし。
その学年、ほぼ、うまくいきそうにまでなっていた。彼らは最後までうまくいったら、オレを解放すると言っていた。だが、その時、彼に見られてしまったんだ。
教室で座って従業を聞いていたけど、無意識的に脚を上げてしまって。バレないようにストップしたと思ったんだが、クラスメートのあいつが(ジェレミーって名前のフットボール選手が)オレのパンティのアソコが小さいけど盛り上がってるのを見てしまったんだ。ああ、バレてしまったと思った。ヤバいよ。解放されなくなってしまう。
その時、あいつがニヤリと笑ったんだ。オレも笑顔で返した。ひょっとすると、あいつとオレとで何か妥協点を見つけられるかもしれないな。