
08 New look 「新しい気の持ち方」
ミッキーは何年も、あらゆるタイプのからかいの標的とされてきた。他の男子たちは、彼をゲイとかシシーとかオカマとか何百もの呼び方で呼び、悪口を浴びせ続けた。たいてい、彼は、じっと我慢して、無視し続けた。泣き出してしまうこともあった。落ち込むこともあった。一度、相手とケンカしようとしたこともあった(壮大な不成功に終わったが)。いずれにせよ、悪口は止まらなかった。
だが、高校3年になる前の夏、ミッキーはある決心をしたのだった。もし、それを抑制できないなら、それを積極的に受け入れてしまえ、と。そして、彼は髪を伸ばし始め、化粧をするようになり、どんどん女性的な服を着るようになった。生まれつきの女性的な傾向を無理やり抑え込もうとするのをやめたのである。
夏休みが明け、3年生の学年が始まる時までには、彼は変身を遂げていた。それまでの女っぽい男の子から、学校のたいていの女の子より可愛いシシーへと変身したのだった。もちろん、からかいは続いたが、ミッキーはからかわれても、それに合わせて受け流すようにした。ゲイとかシシーとか言われても、その通りと受け入れた。冗談を言われても、その通りだよと自ら認めて受けて立った。
やがて他の男子たちはミッキーのことを気にし始めたのだった。もちろん、ミッキーもそれに気づいていた。そして、毎日、体育の授業の前に男子ロッカーにおいて、彼は他の男子たちにちょっとしたショーをして見せてあげた。服を脱ぎ、パンティひとつの姿になと、ロッカールーム中の目が自分に向けられているのを知るのだった。
結局、シシーであることはそんなに悪いことではないと思うのだった。