その夜、ゲイルは仕事に行かなければならなかった。なので、ゲイルが仕事を終えるまで、ブレンダが私を連れ出してくれることになった。ブレンダは、私を弁護士たちがたむろしている場所に連れて行って、何人かに私を紹介すると言っていた。
ゲイルは、私たちが出かける前に、すでに仕事に出かけていた。私は身支度をして、出かける用意を済ませていた。ゲイルがブレンダについて言っていたことを考えた。彼女は誰が命じても、どんなことを命じられても、それをすると。それには、どこか興味がそそられる気がした。ブレンダみたいな人が道を歩いているとして、彼女のそばを通り過ぎる人が誰も、本当は彼女に対して力を持っているのに、それに気づかない。でも、たまたま、誰かが彼女に何かするように命じたとしたら……そして彼女がそれをするのを見たとしたら。それって、とても「アブナイ」ことだわ。
「ブレンダに何かするように命じてもいいのよ。そうすれば彼女はそれをするから」 少なくとも、これがゲイルが私に言ったこと。
私は身支度を終え、リビングルームでブレンダが来るのを待っていた。ようやく出てきた彼女はジーンズとブラウスの姿だった。きれいに見えた。もっと言えば、かなり美しい。
肩にかかる長さのブロンドの髪の毛。ゲイルとあたしのどちらよりも、肉感的な体形。身長も、あたしたちより高い。
あたしは、ブレンダを出迎えながら、どうしても心を制御できなくなっていた。……あたしが見ているこの人は、本当に、誰がどんなことを言っても、それを喜んでする女なの? あたしが命じたことを何でもする? 彼女にどんなことを命じたらいいだろう?……
「ブラウスのボタンをひとつ外して」
あたしはわざとあいまいな言い方をした。命令のようにも聞こえるし、親切心からの助言のようにも聞こえるように。
ブレンダは胸元に手を挙げ、ボタンを外し、そして、突っ立ったままになった。「こんな感じに?」とも、「これでどうかしら?」とも、何にも言わずに。ちょっと変な感じだった。
「もうひとつ」
どうしてそんなことを言ったのか分からない。ブレンダを試していたのだと思う。ブレンダは、あたしのそんな「助言」を笑い飛ばしてもいいし、「あなた、ちょっと変よ」と言うこともできる。でも、彼女はそうしなかった。黙ったまま、あたしの言葉に従い、そして、また、突っ立ったままになった。
「もうふたつ、外しなさい」
これは、バカげたことなのははっきりしていた。そんな格好で他人目につくところに行く人は誰もいない。でも、ブレンダはそれに従った。ブラがすっかり見えていた。
あたしはそれ以上は言わず、玄関に向かった。すぐに出発しようとするように。ブレンダを見ると、ちょっとためらって、少し、ドギマギしているように見えたけど、それでもあたしの後についてきた。外したボタンを一つも直そうとしなかった。
こんなことは、もう、お終いにすべきだと思った。でも、何となくあたしはためらいがちだった。ブレンダはどこまであたしの命令に従うつもりなのだろう?
「あら、それじゃあ、やりすぎね。……一番上のボタンだけを残して、ボタンを元に戻しなさい」
ブレンダはボタンを戻し、あたしたちは出発した。行きながら、ふたりでおしゃべりをした。ちょっと、可笑しかったけど、ブレンダは、何もなかったように話していた。あたしの見る限り、ブレンダは、まさにゲイルが言った通りだった。
弁護士たちが集まっているというバーに着き、ブレンダはあたしを仕事仲間たちに紹介してくれた。その人たちとおしゃべりしながら、あたしはゲイルとブレンダの奇妙な関係についてはすっかり忘れた。みんな、あたしの質問に心から喜んで答えてくれたし、あたしもあの人たちの話しを聞くのが楽しかった。それにみんな、あたしがウブな法学生であることをちょっとからかったりもした。とても楽しい晩だった。
でも、帰りの車の中、どうしてもゲイルが言ったことや、ブレンダの振舞いのことを思い出さずにはいられなかった。
運転をしているブレンダを見つめた。すごい美人。綺麗で、しかも仕事もバリバリできてる女性。そして、あたしが命じたら、ブラウスのボタンを外してしまう女性。……そればかりか、どんなことでもしてしまう女性……
家に着き、リビングに入った。ゲイルはいない様子だった。ブレンダは、ちょっと落ちつかない雰囲気であたしを見ていた。彼女、何か期待している? こんな美人なのに? あたしに何ができるかしら?
「家でなら、もっと気楽になれるのは確かだわよね。じゃあ、またブラウスのボタンを外してくれるかしら」
ブレンダをこんなふうにからかうなんて、あたしは自分を何様だと思ってるのかしら? でも、ブレンダは単なる気楽な会話での言葉と思ったかのように、あたしの命令に従った。
「ほら、気にせずに、ブラウスを脱いじゃいなさいよ」
またも、彼女は、まったく躊躇う素振りも見せなかった。すぐにブラウスを脱ぎ、上はブラだけ、下はジーンズだけの格好になった。どこか読み取れないような表情を顔に浮かべていた。
あたしはソファに腰を降ろし、両足を伸ばしてテーブルに乗せた。
「音楽をかけて、ワインでも飲まない?」
ブレンダは素早くステレオのスイッチを入れ、それからキッチンに行った。ブレンダがキッチンでワイン・ボトルを開け、グラスの用意をしている間、あたしはくつろいで音楽を聞いていた。
すぐにブレンダはキッチンから戻ってきた。手にはボトルとグラスがひとつだけ。そのグラスをあたしに手渡した。彼女はあたしを見ながら、ちょっと戸惑ってる様子でいた。本当に信じられない! ブレンダは、あたしが命じるまで、自分からはワインを飲もうとしていないのだった。
あたしは、まるで自分が王様になったような気持ちだった。自分の権力の強さにゾクゾクしていた。自分がこういうことに興奮する人間だったなんて、自分でも信じられなかった。
しばらく沈黙が続いた後、ようやく、あたしは口を開いた。
「自分のグラスも持ってきなさい」
彼女は素早くキッチンへ行き、30秒後に戻ってきた。キッチンテーブルの横、床にあぐらをかいて座り、あたしを見つめた。
「飲みなさい」 少しうんざりしていた。何もかも命令しなければならない。
彼女はグラスにワインを注ぎ、ひとくち啜り、それから最後まで飲み干した。あたしはブラとジーンズの姿で座る彼女を見ていた。そして、ようやく、あたしは自分の胸元に手をあて、ブラウスのボタンを外し始めた。
「あらたまった儀式はやめにしましょう。ブラとジーンズを脱ぎなさい」
実を言えば、あたしはブラウスのボタンをいじっていただけだった。彼女が立ち上がってブラやジーンズを脱いでる間、あたしは一番上のボタンだけを外しただけになるようにしていた。彼女がビキニのパンティだけの姿になって立ち、あたしを見つめた時も、あたしは、まだ、ボタンをいじっていた。
「あら、それも脱ぐのよ!」 あたかも、パンティも脱ぐのを当然知ってるべきと言わんばかりの口調で言った。
あたしは、もうひとつボタンを外したが、まだ、ブラが見えるほどにはなっていない。ブレンダは、周りに衣類を脱ぎ散らかしたまま、あたしの前に素裸を晒して立っていた。
あたしはこれから何をしようとしているのだろう? どうしてこんなことをしてるのだろう? それは、このようなことをする機会を与えられたから。それにしても、これってワイルドすぎる。成功した弁護士が、あたしの命令に従って、全裸であたしの前に立っているなんて!
ブレンダはあたしのことをどう思っているのだろう? 彼女は妹のゲイルとはすでに知り合いだし、もちろん、自分自身のことも知っているので、多分、あたしが、どんなに変なことをしているかなんて思っていないだろう。あたしは将来、弁護士として成功したいと思っている。まさに彼女のようになりたいと思っている。そして、今、彼女はあたしが命じることに完全に従おうとしている。
あたしは、ブレンダに何をさせるつもり? 彼女なら……命令したらあたしのアソコを舐めるだろう。ゲイルはバイセクシュアルなのは明らかだけど、あたしもそうだったの? それとも、あたしは単に権力があることが好きなだけ? あたしはサディストなの? これは明らかに同意の上でのこと。……ブレンダは明らかにこの状態を求めている。あたしは、この後、どうしたらよいか分からなかった。ブレンダは突っ立ったまま、あたしを見つめ、指示を待っていた。
あたしの頭の中の無意識の部分が、どう進めたらよいかについて何かアイデアを思いついたに違いない。
「自分自身を触りなさい」
見ていると、ブレンダは片手をためらいがちに持ち上げ、乳房にあてがった。そして、もう一方の手をじわじわと脚の間へと進ませた。彼女は、あたしが正確に何を求めているかを推し量ろうと不安げな顔をしていた。あたしは、ただ彼女を見つめているだけで、彼女が勝手に気を揉むのをそのままにしていた。
胸にあてがった手の指が乳首に触れた。脚の間にあてがったもう一方の手の指が、ゆっくりと上下に動きだし、割れ目を愛撫し始めた。その後、乳首に触れてた指が円を描くように動き始めた。ゆっくりと動いてる。彼女は、依然として、これで良いのか不安に思ってるような顔をしていた。
その時、突然、ドアが開いて、ゲイルが入ってきた。彼女は直ちに状況を飲み込んで、くすくす笑った。
「あら、鬼のいぬ間になんとか,ね!」
そして、ゲイルはすぐにあたしの手を握って、引っ張るように部屋の外へと連れだした。ブレンダは、それを止めなかったけれど、さっきよりも不安そうな顔をしていた。あたしは、ゲイルの寝室へと連れて行かれた。
「ゲームをしたいなら、それなりのコスチュームにならなきゃダメ」とゲイルは言い、何秒もしないうちに革の衣装を持ってきた。「さあ、これに着替えて。……速く着替えた方がいいわ。彼女、心づもりができていたみたいだから!」
そう言って、ゲイルは自分からあたしのブラウスのボタンを外し始めた! あたしのブラウスなのに。ボタンを全部外し終えると、彼女は部屋から出て行った。あたしは衣装を見た。すでに誰かが着たような感じだったのを覚えている。あたしは着替えを始めた。そして、鏡に向かって自分の姿を見た。基本的にビキニのスタイルだった。ボトムはとても小さかったけれど、トップの方はお腹の真ん中あたりまでの丈があった。それから両手の手首に革製のぴっちりしたブレスレットを巻き付けた。足首にも同じようなアンクレットを巻き付けた。それから、ちょっとお化粧もした。こんなルックスになっている自分が信じられなかった。一通り身なりを整えた後、あたしはリビングへと戻った。
ショックで立ちすくんだ。ゲイルがカウチに座っていて、ブレンダが彼女の前にひざまずいて、ゲイルの股間に顔を埋めていた。ブレンダは両手、両脚とも拘束されていた。両手は背中に回されて手錠をはめられていた。ゲイルは服を着たままで、ブレンダの顔はめくれ上がったゲイルのスカートに隠れていた。ゲイルはブレンダの髪の毛を握り、両足を彼女の背中で交差させ、左右の太ももで包む格好になっていた。ゲイルは頭を後ろに倒してのけぞり、息を荒げていた。
突然、ゲイルは交差させていた脚を解き、ブレンダを床に押し倒した。そして、素早く、ブレンダのそばにひざまずき、彼女の体を返して、うつ伏せにさせた。そして指を2本、ブレンダの後ろの穴のそばにあてがい、そこをグリグリいじり、中に押し込み始めた! その途端、ブレンダは大きな艶声をあげ、息遣いも荒くなって、激しく肩で息をした。ゲイルはさらに奥へと指を挿し込んだ。そして、顔を上げてあたしを見て、にやりと笑った。
「これにふさわしい衣装になってるわね。こっちに来て」
心臓が喉から飛び出そうになっていた。逃げ出したい気持ちだった。でも、あたしはじわじわ近寄った。ゲイルはブレンダの腰を持ち上げて、自分の膝の上に乗せ、さらにぐりぐりあそこの穴をいたぶっていた。ひとしきり、それをした後、指を抜いて、ブレンダのお尻を叩き始めた。
「さあ、革ベルトを取って!」
あたしは1メートルくらい離れたところで、彫像のように突っ立っていた。
「早く!」
まだスパンキングを続けている。ブレンダの方は、ハアハアと喘ぎ、叩かれるたびにヨガリ声を上げた。
何秒かそれを続けた後、突然、ゲイルはブレンダを横に放り捨てるようにして、立ち上がった。そして再びあたしの手首を握って、またも彼女の寝室へと引っ張って行った。
「あなたは向いてないようね」
そう言い、直ちにあたしの服を脱がし始めた! でも、脱がしたのはビキニのボトムだけで、トップは取らなかった。その後、あたしの両腕を前に引っ張り、両手首を合わせた。左右の手首を離せないようにされるのだと気づいた。……ブレスレットにはホックがついていて、ふたつをつなぐことができていたのだ。
ゲイルはあたしをベッドにうつ伏せに押し倒し、足首にも同じことをした。あたしは、ショックで、なされるがままだった。ゲイルは、素早く着ている服をすべて脱ぎ、あたしがさっきまで着ていた革ビキニのボトムを履いた。そして、あたしの体を反転させ、仰向けにし、掛け布を取って、あたしの体の上に掛け、そして言ったのだった。
「自分でアソコをいじりなさいよ」
両手は前で拘束されていたし、下半身は裸のままだったから、それをすることは間違いなく可能だった。あたしはゲイルを見つめたままでいた。彼女が自分の妹にはとても見えなかった。
ゲイルが革ベルトを手に部屋を出て行った後、リビングの方から、喘ぎ声と荒い息遣いが聞こえた。寝室は暗かった。革が肉肌を打つ音が聞こえた。手指をあそこへと伸ばし、ちょっとだけ擦った。耳をすました。頂点には達しなかったし、無理してそうしようともしなかった。だた、耳をすましつつ、ゆっくりと擦り続けた。
途中で、恍惚状態になっていたに違いない。突然、ゲイルが寝室に荒々しく入ってきた。彼女ひとりだった。ゲイルは素早く掛け布を剥ぎ取り、あたしの体を見た。あたしは彼女を見ていた。あまりにもいきなりだったので、息が止まっていて何も言えなかった。手はまだ脚の間に添えたままだったけれど、ゲイルの言いつけに従って、擦って見せることはしなかった。あたしは体を動かし、横寝になった。
「ちゃんとしていたようね」
あたしは返事をしなかった。ゲイルは依然として、あの革のボトムだけの、体の肌も胸も露わな格好だった。彼女は楽しそうな顔をしていた。
ゲイルはドレッサーの引き出しを開け、中からディルドを取り出した。それから何かの瓶を開け、その中のものをディルドに塗り付けた。そしてベッドに上がってきて、あたしの両脚をまたぎ、そのディルドをあたしのお尻に擦りつけたのだった!
「あそこから力を抜きなさい!」
ゲイルがディルドをあたしの後ろの穴に押し付けるのを感じた。
「さあ、早く!」 ゲイルは優しい声になった。「力を抜きなさい。さもないと、後で困ることになるわよ」
どんどん強く押してくる。あたしは……あたしはどうしてよいか分からなかった。言われた通りに、できるだけ力を抜いた。それが入ってくるのを感じた。滑るように、どんどん奥へと入ってくる。その時の自分の感情が信じられなかった。自分の妹が、小さな布切ればかりの革ビキニ姿で肌も露わにして、あたしの上にまたがっているのだ。
突然、それが振動し始めた。バイブレーターだったのだ。あそこだけでなく、体の内部全部が振動していた。こんな感覚があるのかと信じられない気持ちだった。あたしの両手はまだ脚の間のところにあった。
ゲイルは笑顔を見せ、ベッドから降り、再びあたしの体に掛け布をかけた。そして彼女は部屋から出て行った。またも、部屋の照明を消して。リビングの方から、またさっきと同じ喘ぎ声や叩く音が聞こえてきた。あたしは、その夜、何度も繰り返し絶頂に達した。
おわり