「ああ、すごく良かった」 ウェンディはぐったりとしたまま、腹の底から唸るような声で言った。
荒い呼吸で体が波打ってる。あたしはまだ彼女の脚の間に顔を当てたまま。あたしのところからは、ウェンディの大きな胸が上下にうねっているのが見えた。両脚はだらしなく広がり、両腕も死んだようにぐったりとなってる。顔を見ると、本当に疲れ切ったような顔をしていた。
疲れ切ったと言えば、あたし自身もかなり疲れていた。でも、もう1回だけしてみようと思って、最後にもう一度、舌を突き出して、ウェンディの勃起した可愛いクリトリスをチロっと舐めた。
ウェンディは全身をぶるっと震わせた。でも、明らかにアソコが過敏になっていたみたいで、素早くあたしを押しのけた。あたしも一休みしようと、ウェンディの大きく広げた脚の間に体を移動して、彼女の太ももを枕にして頭を乗せた。すぐ目の前には、彼女の素敵なアソコ。目を上に向けてウェンディを見たら、彼女もあたしを見ていて、満足したように微笑んでいた。顔面が汗でびっしょりになっていた。
しばらくの間、ふたりとも、そのまま横になって呼吸が静まるのを待っていた。ふたりとも体じゅう、汗やら愛液やら唾液でベタベタだったし、10キロくらい走った後のような感じで、くたくただった。だけど、こんなに満足した時があったかしらと思うくらい満足していた。すべての力を絞り切った後に、ぐったりとして心地よく休む気持ちよさ。
それに、そうだ! あたしは、とうとう、初体験をしたのだ! バージンを卒業したのだ! 処女であるのはそのままだけど、童貞ではなくなった! 想像していた形じゃなかったけど、バージン卒業は間違いない。
あたしは、感謝の気持ちでウェンディの太ももにキスをして、彼女を見上げた。ウェンディはあたしの髪を撫でながら、満足しきったように、はあーっとため息をついた。
「ラリッサ、すごかったわ。今までで最高のセックスだった。こんな気持ちよかったの初めてよ!」
それを聞いて、誇らしく感じたし、同時に、すごくセクシーにも感じた。この気持ち、誰が分かってくれるだろう? ウェンディほどの経験豊かなセクシー美女が、あたしみたいな、ちっぽけな存在に、こんなにも感動してくれている!
でも、少し冷静になって、このことを考えたら、急に少し混乱した気持ちになってしまった。ウェンディとのこの体験、これをしていた間、あたしは別人になっていたのじゃないかって、そんな感じになった。
あたしは体を起こし、膝立ちになった。今は萎えているけど、大きなおちんちんが、脚の間にダラリと垂れ下がっている。
「いま起きたこと、信じられない気持ちなの」
そう言ったと同時に、何か呪文が解けたような気がした。こういうことをしたいと思ったことは一度もなかったのだ! あたしが求めていたのは、ウェンディとお友達になりたいと、それだけだった。彼女を崇拝していた。彼女の体も崇拝していた。だけど、ウェンディに対してエロティックなことなど思ったことは一度もなかったのでは? なのに、どうして、こういう行為をしてしまったのだろう? あたしたちは何をしたのだろう?
「あたしも同じ気持ち」とウェンディが言った。
彼女の顔を見ると、あたしと同じように、何か混乱してる表情をしていた。ふたりとも、ほぼ同時に、とても変なことが起きてしまったと悟ったようだった。ウェンディはあたしの顔をじっと見つめた。彼女は動揺しているようでも怒っているようでもなかった。ただ、いま起きたことがどういうことなのか、理解できないでいるような顔だった。
「とても……とても素敵だった。でも、これって……正しいことじゃないような。そうじゃない? なんだか、変な気持ち……」
あたしもウェンディと全く同じ気持ちだった。
「あたしたち、ちょっと……」
そう言いかけた時、部屋の外から声が聞こえた。
「ねえ! ウェンディ! 一緒にランチに行くって言ってたじゃない!」
ジーナの声だった。キッチンから聞こえてくる。ウェンディがびっくりして目を広げた。あたしも同じ顔をしたと思う。
「いけない!」 とウェンディはベッドから飛び降り、ドレスを取って、頭からかぶった。「この状況を他の人に説明するなんて、できそうもないわ」
「そうね」 とあたしも同意し、ベッドから出て服を探した。ウェンディは服を少し整えた後、心配そうな顔をしてあたしの方を見た。
「そういうことじゃないの」 と優しい声で言い、あたしの方に近づいてきた。
「どういうこと?」
「何と言うか、さっきの出来事が困ったことだから、説明したくないと言ってるのじゃないの。説明したくても、できそうにないからなの……」
「ウェンディ?!」 ジーナが近づいてるのが分かった。
「お友達のところに行って」 とあたしは力なく微笑んだ。ウェンディは、何か言いたそうな顔をあたしに見せた後、素早く向きを変え、部屋のドアへと向かった。
「ごめんなさい、ジーナ。声が聞こえなかったの。ラリッサとおしゃべりしてて」
ウェンディはドアを開けながら、そう言い、もう一度、振り返ってあたしを見た後、ドアを閉めた。あたしは再びベッドにごろりとなった。考え事をするには、疲れすぎていたし、頭の中もぐちゃぐちゃだった。
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