68_After party 「パーティの後で」
「こういうの嫌い」とラナはボウタイの結び目を調節しながら言った。彼女には、この、首を絞めつけるモノを外さずにできることと言えば、こうするより他になかった。ラナは、辺りを見回し、同僚や友人である他の女性たちの中、同じように感じている人が何人くらいいるだろうと思った。「もう、帰れたらいいのに」
「いつもそう言うわね」と彼女の夫のボビーが言った。「でも、結局、最後には、あたしたち、楽しい時間を過ごした気持ちになってるわ。いつものように。それに、これも、今のあたしたちの生活の一部なんだから」
ラナは自分の夫を見て溜息をついた。いつもそうだが、ボビーが言うことは正しい。それに彼は美しい。きらめくシークイン(
参考)のドレスを着た彼は他のすべての夫たちを圧倒していた。ラナは無意識的に腕を彼の細いウエストに絡め、抱き寄せた。そして、ねっとりと情熱的なキスをした。
ボビーは息苦しそうに体を離した。「やめて」と顔を真っ赤にしている。「みんなが見てる」
「見させてあげればいいのよ」とラナは答えた。「あの部屋には、同じことをしたくてウズウズしてない女なんかひとりもいないわ」
「そうね。それに、向こうにはあたしがキスされたいと思う女もひとりもいないわ」とボビーは答えた。「でも、今はダメよ。ここではダメ」
ラナは再び溜息をついて、夫を解放した。「あなたの言う通りね」と自分のジャケットの乱れを直した。「もちろん、あなたの言う通り」
ボビーはにっこりと笑い、顔を寄せ、妻の頬にキスをした。そして、彼女の耳元で、「後で、ね」と囁いた。
その夜、ラナはずっと他のことをほとんど考えられなかった。ララは、同僚たちと、見込みのありそうなビジネス上の取引や、スポーツや他の日常的な話題で会話してる時ですら、夫の約束が頭から離れず、気が散って仕方がなかった。自分に組み敷かれた彼のしなやかで柔らかいカラダのイメージが、しょっちゅう頭の中に浮かんでは消えた。一方、ボビーの方も、他の夫たちとおしゃべりをして、彼なりの仕事をしていた。疑うべくもなく、彼らの会話も、多少、男性中心的な話題であれ、ラナたちと同じように退屈なものだった。ファッションとか、お化粧とか、芸能人とか、読書クラブとか。この種の話題が少しでも興味深いと思われる世界があるなど、ラナには想像できない。
ようやく、夜も更けて、お開きが近づき、ボビーは妻のところに戻ってきた。ずいぶん時間が経っていたが、彼は、パーティが始まったころと変わらず、エレガントで優雅なままだった。
「ついて来て」と彼はラナの耳元に囁き、ひと目につかない隅へと彼女を連れて行った。そして、近くにある鉄柵にもたれかかり、中腰になった。ラナは、夫がパンティを履いていないのを見て驚いた。
「あなたが持ってるでしょ?」とボビーは荒い息づかいで訊いた。「あなたは履いているわよね?」
ラナはにんまりとした。「ほんと、悪い子ね。誰かに見つかったらどうするつもり?」
「ここには誰も来ないわ」とボビーはあたりを見回した。ラナは彼のドレスの裾をめくりあげ、完璧とも言える素晴らしい形の裸のお尻を露出させた。「それに、今は、あのマヌケなパーティに出てる人みんなに見られても気にしないわ。あなたにあたしの中に入ってきてほしいの。いまここで。今すぐ!」
ラナはますます笑みを広げ、ズボンのチャックを降ろし、お馴染みの紫色のペニスを引っ張り出した。長く、太い、ゴム製のペニス。
「あたしに頼むのは一回で十分よ」とラナは言い、ぐいっと腰を突きだし、愛する夫に挿入した。