
68_If you've got it 「魅力があるなら使わなければ」
「ほら、この通り。着てないわよ」
「怒らないで。あなた、綺麗よ」
「服の生地が透けて見えてしまうのよ! ちょっとでも変な動きしたら、あたしの……こぼれ出てしまうわ」
「そうなったらそうなったで、すごい見物になるかも。私の同僚たちが大喜びするのは間違いないわね」
「そんなふうな言い方よして。このドレス、バカげてるわ。ほら、あたしの……アレ、見えてしまうかも。少なくともパンティか何か履くべきだわ」
「下着を履いたら、ドレスのラインが台無しになってしまうじゃない。それに……他の男性はみんな同じような服装で来るわよ。もっと言えば、かなり確かだと思ってるんだけど、シャーロットのご主人はもっと派手に露出したのを着てくるはず。彼、この前のクリスマス・パーティの時、どんな服装できたか、覚えているでしょ?」
「パスティーズ(
参考)とソング・パンティだけだった。覚えてるわ」
「だから、全然おかしくないでしょ? あなたと彼ふたりでああいう格好したらどうかしら? すごく可愛いと思うわ!」
「サマンサ、あなたの会社のパーティに半裸で行くつもりなんかないわ。あたしはそういう男じゃないもの」
「どうかしら? あなたが自分は豊胸手術をするタイプの男じゃないって言い張ってたのは、そんなに昔のことじゃなかったんじゃない? それにヒップへのインプラントとかドレスを着るとか。そんなタイプの男じゃないって言ってたのついこの前までだったじゃない? と言うか、その割合でいったら、今あなたがする気がないということは、どんなことでも、いずれ、その正反対のことをすることになるって、正確に予測できると思うわ。私が賭け事をする女だったら、あなたがうちの会社の次のクリスマス・パーティでは、素っ裸になってテーブルに上がって踊り狂うってことに、多額の掛け金を賭けるでしょうね」
「そんなのフェアじゃないわ。あたしは仕事をクビにならないために、こういうことをしなくちゃいけないって分かってるでしょ? うちの上司はとても厳しいの……」
「人生はフェアなことばっかりじゃないのよ。でも、これ、全部、ベストになるためのことなのよ? あなたはすごくゴージャスなの。あなたに会う女はみんな、心の中で、あなたの完璧な形のお尻にストラップオンでズブズブやれたらなあって思ってるはずよ」
「そんな下品な言い方、ヤメテ」
「じゃあ何て言ったらいいの? あなたの魅力のせいで、私はこういう女になったんだから。さあ、もう行きましょう? 遅刻したくないもの」