
68_Lesbian 「レズビアン」
あんなに驚くべきじゃなかったかも。息子がどういう人間か分かっていたはず。なんだかんだ言っても、あたしこそ、息子になるべきひとになるよう強いようとしてきた人間だから。でも、どんなに頑張っても、息子はあたしの考えに馴染んでくれなかった。男たるべきもの、どうあるべきかってあたしの思いに従ってくれなかった。だから、スマホで写真を開いたときのこと、同僚から送られた写真だけど、そのときはあんなにビックリしてはいけなかったのかもしれない。あの写真の中、息子が10代のレズビアンにしか見えなかったにしても。
写真では、息子は、長くて紫色の両頭ディルドの片方をアソコに入れていた。もう片方には彼女。彼女がいれば息子もまともになってくれるんじゃないかと思っていた、その彼女。明らかに、あたしの目論見は失敗していた。
息子が、大学に行って地元から離れてから、彼女ができたと聞いたとき、あたしはすごく喜んだ。息子があたしが望み続けてきた「本物の男性」になるかも。そうなる日をずっと夢見てきた。そして、その、息子の彼女の写真を見た時? あたしは顎が外れるほどびっくりした。すごい美人。息子がこんな美女を得ることができるなんて、自慢したい気持ちが湧き上がってきたのを覚えている。
でも、スマホに送られてきた写真を見ながら、私は、息子がどうなっているのかを知った。長い髪の毛、柔らかい顔かたち、女性的な曲線豊かな体つき。それらを無視することはできない。それに息子の胸の膨らみと縮んだ男性器にも、どうしても、目が行った。息子は、もはや息子ではないらしい。彼は、私の娘になったのだし、しかも、レズビアンの娘なのだ。