69 I care 「気にしてしまう」
誰もあたしを理解していない。誰も、あたしが、なぜこんなことしているのか、なぜ自分の裸の写真をインターネット中に投稿しまくっているのか分かっていない。そんなことして、恥ずかしいと思わないのか、とみんな言う。お前は狂ってる、劣化人間だ、変態だと。
彼らがどう思おうが気にしないと言えたらどんなに良いだろう。罵倒や中傷、殺すという脅かしまで、全部、無視できたらどんなに良いだろう。お前は文化を破壊してる。お前は社会にとって危険な存在だ。お前は生きてる価値がない。ありとあらゆる罵倒を耳にする。無視できればいいのだけど、実際は、体調を崩してしまうまで、そういう罵倒をすべて何度も何度も心の中で繰り返してしまう。そして回復すれば、あたしは再び同じことを繰り返す。何度も。どうしても、そうしてしまう。本当に、やめることができたら良いのに。
表向きは、気にしていないフリをしている。その点で、ほとんど反逆をしていると見えるだろう。彼らが大声で叫べば叫ぶほど、あたしは、彼らが憎悪することをさらに行う可能性が大きい。でも、あたしは車の運転でスリップを繰り返しているだけなのだ。実際には、他の行動をする選択肢をあまり持っていないだけなのだ。
あたしは注目を浴びたい。切望している。良い評価でも悪い評価でも。良し悪しは関係ない。彼らがあたしを見てるのを知っている。そして、彼らは、表向きにはあたしの存在自体を侮蔑してても、そんな彼らの中の少なくない人たちが、あたしを見て興奮しているのも知っている。あたしがしてるだろうと彼らが思うイヤラシくて、淫らなコトを想像して興奮してるのだ。それをあたしは知っている。
あたしは壊れている。あたしは自分のことを知っていて、自分の精神が健康的でないことくらい分かっている。でも、やめられない。自分でも本当にそうしたいと思っているのか分からない。やめようとした。でも、いつも、元に戻ってしまうのだ。やめられたら本当に良いのに。本当に。
不思議な人生だ。あまりに多くの人々が、理由もなしにあたしを憎悪しているという、奇妙な状況。あたしのことを愛してくれる人たちもいるが、みんな、間違った理由でそうしているという奇妙な状況。それがこの人生。むき出しの憎悪か、あからさまなモノ扱い。決めつけの判断か、勘違いした受容。薄っぺらな賞賛か、根深い敵意。どっちがより悪いか自分でも分からない。
あたしには分からない。そんなこと気にしないでいられたら良いのにと思う。でも、あたしは気にしてしまう。これからもずっと気にし続けるだろうと思ってる。