Patriot 「愛国者」
「マーサ、あなたに脱帽しなくちゃね。彼、可愛いわ。あなた、本当に彼を上手く調教したわね」
「ありがとう。でも、これからも道は長いわ。今日も、彼はこのパーティにトランクスの水着を着てこようとしたのよ。まるで、そうしたら、そうなるとでも思っていたみたいに」
「まあ、彼、あの日焼けのラインをどうしても見せたいじゃないの?」
「それ、あたしが言ったことなの。でも、近頃、この手の男の子たちがどうなるか知ってるでしょ? すごく些細なことに、いちいち食ってかかるのよ。避けられないんだから、それを受け入れたら、何もかもが、どんだけ楽になるか、あの子たち全然理解しないのよねえ」
「それって、あたしがあたしの男の子たちに言い聞かせていること、そのまんまじゃないの。でも、相変わらず、男らしさがどうのこうのって、口答えするのよねえ。もちろん、無駄な抵抗なのに。最後には、いつも負けちゃうのに」
「今は、彼の胸が大きくなる時を楽しみに待っているだけ。胸が膨らんできたと気づいたときの男の子を見るときほど、すごくスペシャルな時ってないわよね。それがきっかけで、たいていの男の子は落ちるんでしょ?」
「もし落ちなかったら、その時はストラップオンで落とせるわ」
「今夜、どうなるか分かるわ」
「あら、あなた、今夜、彼に初体験を味わわせるの? 7月4日の独立記念日に?」
「そう、花火がバンバン鳴っている時に、彼の処女を奪うの。それがふさわしいと思うから。彼って前は、一生懸命、国旗を振るような愛国者だったから」
「それって,すごいわ、マーサ。本当に頭いい!」
「今夜、忘れられないひと時を得るの。それに、彼も、今夜のことを忘れないと思うわ。処女を失う日になるんだもの」