専門家風に指示はしたものの、それほど説得力があったとは思わなかった。だけど、クリスタルもボブも、別に文句は言わなかった。もっと言えば、ボブは、僕が彼の奥さんのおっぱいの谷間を化粧用のブラシで擦っている光景に、何か魅了されているように見えた。
一度、振り返って、パレットにある、もっと明るめの色にブラシを浸し、もう一度、クリスタルの方に向き直った。
「オーケー。じゃあ今度は、両端のところに塗った暗めの色と、この色とを混ぜることにするよ」
「ええ、どうぞ」 とクリスタル。ボブは黙ったまま。だけど、ボブがじっと僕の擦ることを見ている強い視線を感じる。
片手にブラシを持ち、もう片手で、クリスタルのトップの胸のところを引っ張って、5センチほど下げ、ブラシでなぞった。今度は、胸の谷間に集中する替わりに、丘の側面を上下になぞった。何度も何度も何度も繰り返しなぞる。分かってるよ。ちょっとやりすぎかもしれない。
ようやく仕事を終え、僕は一歩下がって、自分の仕事の出来栄えを見た。見事な出来栄えだと我がことながら賞賛した。まあ、自分の仕事と共に、クリスタルのおっぱいのことも賞賛していたのだが。
「ううむ・・・もうちょっと擦って色を混ぜた方が良いのかもしれないけど、まあ、これで大丈夫だろう」
「どこかまずいの?」
「ブラシの方はちゃんとしたと思うんだけど、まだ、十分に色が混ざっていないんだ」
「じゃあ、混ぜればいいじゃない?」
僕は少しだけ彼女を見つめていた。それからあわてて返事をする。
「ええと、上手く色を混ぜる方法で僕が知ってる方法は1つだけ。あの・・・つまり、指を使って滑らかにすることなんだけど。大丈夫かなあ?」
クリスタルはボブの顔を見た。
「あなた、気にする?」
ボブは、少し緊張した声で返事した。
「い、いや、全然。しなきゃいけないことなら、しなきゃいけないね」