New Style 「ニュー・スタイル」
「ティファニー、これ本気なの?」
「最新スタイルの格好になりたくて、あたしを雇ったんでしょ? それが、あたしの答えよ」
「うん、分かってる。だけど全国放送のテレビにドレスを着て出るって、まるで……」
「全然、普通」
「男にとっては普通じゃないよ」
「ねえ、あなたもちょっとは視野を広げるべきじゃない? 今のファッションはこうなっているの。ジェンダー間の境界はあいまいになっているのよ。男性だろうが女性だろうが、違いはない。重要なのは、見栄えが良いかどうかだけ。で、これを着たあなたは最高だわ。誓ってもいいわよ」
「でもボクは……」
「またテレビ通販の仕事に戻りたいの? それとも、キャリア・アップをし続けたいの?あなたが、よくいる元子役スターのひとりになってしまうのを防ぐ方法はこれなのよ。あなたあたしのところに来た時は、あなたはどんな状態だった? 誰もあなたを採用しようとしなかったじゃない。どんな役でもダメ。だけど、いったんあたしが手掛けたら、あなたの人生で最大の役に選ばれた。そして……」
「シシーの役だけど……」
「アカデミー賞のノミネート作品の主役だけど? それに、その言葉は使わないこと。それ差別用語だから」
「分かった。何でもするよ。でも、本当にドレスを着たり、ハイヒールを履いたりする必要があるのか、まあだ分からないんだけど……」
「あたしがあなたのスタイリストなのよ。そのあたしが、あなたはそういう服装になるべきだと思ってるわけ。さあ、もう、聞き分けをよくして、めそめそするのはやめて? 本番まであと5分くらいよ。インタビューの時に緊張してきたら、意識的に自分をこのキャラに切り替えればいいの。身のこなし方とか、いっぱい練習したでしょ? それを思い出して、そうすれば……」
「どうするか分かってるよ」
「よろしい。素晴らしいわ。というわけで、最後に言い忘れたことがひとつだけあったわ。脚を折ればいいのに(
参考)!」
If you like this kind of stories, please visit Nikki Jenkins' Feminization Station
https://thefeminizationstation.com/home/