Self-discovery 「自己発見」
「オーケー」とチェイスはビキニのボトムズを脱ぎながら言った。「君が正しかったよ。それでいいね?」
「え、何て?」と彼のガールフレンドのマンディは、片手を耳に添えて聞き耳を立てるような仕草をした。「もう一度言って。でも、ゆっくりとね。じっくり味わって聞きたいから」
「ハッハァー」とチェイスは了解したことを示す声を上げ、ビキニのトップの紐をほどいた。トップを外し、すでにある汚れた衣類の山に放り投げた。「面白い。実に面白いよ。でも、ああ、いいさ……認めるよ。ボクは楽しい時間を過ごした。こうなるとは思っていなかったけれど、でも……」
「あなた、2週間近くは、ふてくされたり、ぶつぶつ唸ったりしてたのよ」と彼女も同じように衣類を脱ぎながら言った。「それに加えて、おへそにピアスするときも、ずいぶん怒ったわよね」
チェイスはおへそのピアスをいじりながら言った。「分かってるよね、これは終わらせなくちゃ。そうだよね?」
「あなたがそうしたいなら」 と言い、マンディは彼に近づき両腕を彼の腰にまわした。そして彼のぷっくり膨らんだ左右の尻頬をぎゅっと握った。「でも、別に終わらせなくちゃいけないわけじゃないわよ」
チェイスは不満そうな声を出して、体を離した。「もちろん、終わりにしなくちゃいけないよ。って言うか、楽しかったよ。それは認める。でも、もうボクたちは現実の世界に戻らなくちゃいけないんだよ。ボクには友達がいるし、両親もいるし、仕事もある。家に戻ったら、普通の状態に戻らなくちゃいけないんだ」
「でも、この状態を、あたしたちにとっての新しい『普通の状態』にすることも考えられるわ。あたしもあなたも可愛いでしょ? 男たちにちやほやされたり、あの素敵なオモチャで一緒にプレーしたり……これからも、こんなふうに楽しく暮らしていけるのよ? 別に妄想を語ってるんじゃないの。あなたは、ここに来て初めて本当のあなた自身を見つけたみたいだし、それに……」
「ダメだよ」とチェイスは後ろを向いた。しかし、彼女の言っていることが正しいという意識が、彼の心の玄関をバンバンと叩いているような気がした。この1週間、彼は一度も自分が劣ってるとは感じなかった。確かに、落ち着かない気持ちだったけれど、誰も自分が女のフリをしてると気づいていないと知るや、すぐに、その落ち着かない気持ちも消えていき、代わりに、純粋に楽しい気持ちにあふれていたのだった。
しかし、彼は、女装にまつわる現実的なあれこれよりも、まさにこの点に最も不安を感じた。そして、不安と同時に興奮も感じたのだった。
「こういうのは、どうかしら? 家に帰ってからもこれをするっていうのは? あなたは外に出たりしなくてもいいわ。ふたりだけの小さな秘密にしてもいいんじゃない?」
秘密。その提案は良さそうに聞こえた。それにリスクもない。誰にも知られないんだよね? そう思い、彼はにっこりと微笑み、そして言った。「そ、それって、良さそうだね」
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