その2週間前、モニカはこっそりと両親の家を出て、友人の車に送られて60マイルほど離れたジェフの元に来て、治安判事の元、あわただしく結婚したのだった。モニカは、17歳の誕生日を迎える直前だった。だから、結婚してしまわないと、ジェフは法定上レイプの罪に問われ、彼女は家出少女とみなされてしまいかねなかった。モニカは治安判事に年齢を偽った。とはいえ、ほんの数日間だけの偽りだったが。
コレクトコールで両親に結婚したことを伝えた。そのおかげで彼女の両親は警察に捜索願をださなかった。電話の向こう、母親が涙ぐんでいるのは感じ取られたけれど、両親とも、モニカが幸せになることを願ったし、できることなら、秋には高校3年生になるはずなので、こちらの高校に編入するようにと、モニカに懇願した。
モニカは、学校は続けると約束した。
季節は真夏だった。だから、当面、モニカは学校に通わなくてもよい。ジェフも賛成してくれたので、秋からは地元の高校に登録しようと計画していた。
ジェフも19歳になったばかりだった。地元の大きな自動車工場の機械工の仕事を得ていた。ただ、後で分かったことだが、その工場は車の窃盗団のフロント会社でもあったのだった。盗難車をシカゴに運ぶ仕事が時々入る。仮に、ジェフがその仕事を頼まれ、それを引き受けた場合、彼は機械工の給与に加えて50ドル多くもらうことができた。
50ドルは、彼にとって、月々の家賃をはるかに超える金額だった。ジェフには、その額を稼ぐには、逮捕される危険を冒すことしかできなかった。
窃盗団は、シカゴにジェフが滞在するための安い部屋を提供した。車を届け、そこに1日滞在し、翌日にはバスで地元に帰ることができるはずだった。バスだと、すべてのバス停に止まって移動するため、5時間もかかるし、当然、仕事の時間には間に合わない。だが、その日の仕事の賃金を上回る額をもらえるので、何も問題はなかった。
新生活を始めたばかりのふたりには、カツカツの生活しかできなかった。家賃は払ったけれど、ジェフが失業したら、途端にふたりは路頭に迷うことになるだろう。
ジェフの上司のリチャードは、ふたりの結婚に新郎側の付添人として立ち会った。ジェフが治安判事に式のお礼を言い、代金の2ドルを払っている時、リチャードは新婦にお祝いのキスをしてもいいかと彼に訊いた。
ジェフはほとんど気にならなかったのか、軽くうなずいて、肩越しに手を振った。
モニカは、たった2時間ほど前にリチャードを紹介されたばかりではあったものの、気にせず、両腕を開いて招くリチャードの元に近寄った。彼が唇を少し開いたのを見て、彼女も唇を開いたのだった。
モニカは、軽く唇を触れ合うだけだとばかり思っていた。
だが、リチャードは、唇を強く押し付け、舌までも入れてきて、モニカを驚かせた。さらには、彼の手がどこにあるか周囲の誰にも見えないことをいいことに、両手で彼女の尻頬を掴み、揉んだのである。
彼はなかなかキスをやめようとしなかった。モニカにも、不自然なほど長いと分かる。舌を舐られ尻を揉まれながら、彼女は、突然、何か固いモノが自分の下半身に擦りつけられているのを感じた。
びっくりしてモニカは体を離し、リチャードを睨み付けた。そんなモニカを彼はニヤニヤ笑ってみている。彼女は、こんなふうにキスされたことがなく、体の中に走った感覚は、初めてのものだった。
このときのことをモニカはジェフに話していない。だが、その時すでに、彼女は、ジェフの上司が自分のことを狙っていると感じていた。そして、そんなことは決して許してはいけないと思ったのだった。
ジェフが仕事を始めてからまだ2週間であり、それまでは自分のアパートを借りる資金がなかったので、彼はリチャードの家に間借りしていた。しかし、2週目の賃金が得られたので、これで部屋を借りることができる。
一方、リチャードは、満面に笑顔を浮かべて、「今や花嫁となった彼女も来たことだし、ふたりでうちに間借りし続けていてもいいのだよ」と言った。
治安判事のところには、リチャードの運転する車で行った。式の後、3人は途中のレストランに立ち寄り、そこでリチャードは新婚夫婦に食事をおごった。その後、リチャードの家に戻ったわけだけれど、まだ日も高く、若いジェフとモニカは夜になるまで待たなくてはいけなかった。
4時間ほど経ち、ようやく、新婚のふたりがふたりっきりになれる時間が来た。リビングルームにリチャードを残したままで、ふたりだけ寝室に入り、初めてのセックスをするというのは、どこかしら、よくないことのように思え、ふたりはリチャードが就寝するまで、我慢していたのである。
新婚旅行をする時間もお金もないふたりは、リチャードの家の来客用の寝室で初夜を迎える他なかった。部屋には窓がひとつで、そこから差し込む月明かりを除いて、部屋の中は暗かった。初めてジェフの前に生まれたままの姿になり、自分の処女を捧げる。モニカは、不安の混じった期待に胸を膨らましつつ、壁一枚へだてた隣の部屋にリチャードがいることも気になっていた。
……あの人にこっちの様子を聞かれているかもしれない。そう思ったけれども、ジェフがズボンを下ろして堂々とした姿で立っているのを見て、すぐに隣のことは忘れたのだった。彼女は大人の男性の勃起したペニスを見るのは初めてだった。恥じらいからか、モニカはくすくすと笑った。
この時まで、ふたりがした性的なことと言えば、立って抱き合うか、車の中で座って愛撫しあう程度だった。ジェフはこの時まで待ち続けてきたのである。モニカ同様、ジェフも未経験だった。
「横になろう」
モニカが、初々しく美しい乳房を彼の前に露わにしたのは、この時が初めてである。ジェフは、その夢のような触り心地を喜んだものの、じっくりと堪能する心の余裕はなかった。前戯と呼べることはそれくらいで、他にはほとんど戯れることなくジェフはぎこちなくベッドに上がった。そこには、花を散らされるのを待つ美しい花嫁が、裸体を隠さず待っている。
モニカは、ジェフが避妊具を3パック買ったのを知っていた。一瞬、それをつけるつもりか訊こうと思ったけれど、すぐに、それはジェフに任せようと思い直した。
また、最初は、隣の部屋にリチャードがいるので、なるべく声を出さないようにしようと思っていた。だけど、式の時、リチャードが厚かましいキスをし、体を触ったことを思い出し、むしろ、自分の声を通して、リチャードに、自分はジェフの妻になったのであることをしっかり認識してもらうべきだとも、思い直していた。
初めての経験である。ジェフのそれは大きく感じられた。「ああっ!」 短かったけれど鋭い痛みが走り、モニカは叫んだ。思ったより大きな声になっていて、部屋中にこだましたように聞こえた。
「大丈夫?」 ジェフは、1回の突きで彼女の処女膜を破り、分身の大半を入れたのだった。モニカにとって、確かにジェフは大きく感じられたけれど、すぐにリラックスできるようになっていた。今のところ、ちょうどよい感じに収まっていると感じていた。
「痛かった……」 モニカは割と大きな声で返事した。もし隣の部屋でリチャードが聞いてるなら、ちゃんと聞こえるようにと思ったからである。「まだ痛いけど、もう大丈夫だと思うわ。続けて……」
「じゃあ、するよ。残りを全部入れるよ」
「ううぅぅぅぅ……んんん……!」 ジェフは13センチの根元まで埋め込んだ。