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Get your purse 「ハンドバッグを持って」 

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Get your purse 「ハンドバッグを持って」

「ハンドバッグを持って。遅刻したくないから」

「え? バッグ? どこに行くの?」

「本気で訊いてるの? 前にも話したじゃない。あなたの同窓会よ」

「ぼ、ボクの……同窓会? ボクは行きたくないって言ったよ」

「そして、あたしは、行くべきだって言ったの。そして今も、行くべきだって言ってるの。さあ、バッグを持って」

「こ、こんな格好じゃ行けないよ。髪を切って、スーツを着なくちゃ……」

「あたしは、その服装で完璧だと思うけど? あなた、いつもピンク色が大好きって言ってるじゃない? 恥ずかしがることないから」

「いや、いやだ! というか……ボクは……みんなは……みんなは、ボクがこの数年、何をしてきたか、全然知らないんだよ」

「同窓会報に載る話題とは思えないものね。だから何? きっと、他の人だって変わってるわよ」

「でも、ボクは……キミも知ってるだろ? ボクは、フットボールのクォーターバックだったんだよ。それが今は……」

「シーメールのポルノスター。確かに、それはちょっとショッキングなニュースになるとは思うわ。でも、それはあなたが選んだ人生なの。ちゃんと自分で対処しなくちゃ」

「ぼ、ボクが選んだわけじゃないよ。キミじゃないか」

「あたしの理解とは違うわねえ。でも、どっちにせよ、今のあなたが、あなたなの。隠しても無意味だし、あたしは隠すつもりはないわ。だから、もう一度だけ言うけど、ハンドバッグを持って、車に乗りなさい。遅れたくないの。さあ、早く。そう、そう。やっぱりあなたはいい娘ね」

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[2020/02/29] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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