One step after another 「一歩ずつ」
本当は、こんなこと望んでいなかった。でも、ボクは、ここにいて、ベッドの上、妻の隣で四つん這いになり、この男たちとの出会いがどのように展開するのか待っている。ボクの相手の男性には、一度も会ったことがないし、おそらく、この後も会うことはないだろう。彼は、今、ボクの後ろにいて姿勢を取っている、いや、むしろ、不気味にそびえ立ち、迫ってきてると言うのが正確だろう。実際に触れなくても、長くて太くて固く勃起したペニスが、ズボンの中、いきり立っているのが分かる。振り返って見るまでもない。これから何がボクに襲ってくるか分かっている。
横にいる妻のテレサに目をやった。彼女はにんまりした顔でボクを見た。にんまりと言うより、にやりと言った感じ? ボクには、どっちなのか絶対に分からないだろう。ボクが抱く不安感がどんなものであれ、テレサはそんな不安感を一切感じていない。これは彼女が望んだことだから。
これがボクの夫婦生活なのか?
かつて……とは言っても、そんな昔のことではないのだけど……かつて、ボクは、実際に4人プレーをしようなんて想像すらできなかった普通の男だった。ましてや、男性からの行為を受ける側になるなんて、夢にも思ったことがなかった。ボクは、こんなにも完璧なまでに性生活が変化してしまうなんて、想像すらしていなかった。
多分、始まりは、誕生日のお祝いとして、彼女の簡単なお願いを聞いてあげたことだったと思う。あの日、ボクはテレサに、ベッドでしてほしいことがあったら何でもしてあげると約束した。そして、それを聞いてテレサが何を求めたかというと、ボクに彼女のパンティを履いてほしいと言ったのだった。確かに少しは抵抗はした。だけど、結局はその要望に従ってしまった。そして、その結果はというと、ふたりにとって、人生で最高と言える素晴らしいセックスになったのである。あの夜、彼女は、終始、攻撃的で支配的にふるまった。あんなになったテレサは初めてだった。そして続く2週間ほど、ボクと彼女のセックスは、いつも彼女が選んでくれたランジェリーをボクが着て、「ちゃんとした身なり」になってからでないと始まらないようになっていた。ボクは、テレサが喜ぶのならと、それに合わせたし、そういう女性的なランジェリを着ても自分は変わらないと示すことになるので、むしろ、改めて、ボク自身の男らしさを証明する行為にもなると自分を納得させていた。それとも、それはテレサが言った言葉だったかもしれない。今は忘れてしまった。
すぐにランジェリーだけでは済まなくなった。まもなく、ボクの毎夜の身支度には、化粧とウィッグと無駄毛処理が加わるようになった。でも、テレサはそれでも足りないと思ったのか、今度はボクにビタミン剤を飲み始めるようにさせた。それを飲むと肌が柔らかくしっとりとするようになると言っていた。当時、ボクはそれが本当は女性ホルモンだと分かっていただろうか? たぶん、心の奥底では分かっていたと思う。だけど、ボクはその薬を飲み続けた。ボクはテレサの言うことを拒否することなんてできなかったし、ボク自身も、彼女を喜ばせていることが嬉しくて、気持ちよく思っていたのだから。でも、気分が良い分、身体の方が犠牲を払っていた。ボクの身体はみるみる女性的な体つきに変わり始め、ボクは必死になって、ビジネススーツや男性服の下にその体を隠していたのだった。
しかし、ホルモンのせいでボクがインポ状態になってるのがはっきりすると、テレサはディルドやバイブなどの性具を使い始めた。ボクは抵抗しようとした。それを使われても気持ちよくないと言おうとした。でも、その頃には、テレサはあまりにも完全にコントロールを握っていたので、ボクがいくら反対しても、簡単に無視されるようになっていたのだった。そしていつしかボクたちは、レスビアンのカップルのような愛し合い方をするようになっていた。でも、自分でも驚いたのだけど、その愛し合い方は、それまでふたりで行ってきた行為と同じくらい、いや、それよりもずっと気持ちよかったのだった。少なくとも、ボクにとってはそうだった。テレサにとっては、というと、不満状態の練習を続けていただけだったかもしれない。テレサは何度も何度も言っていたのだけど、彼女にはたくましい男性が必要で、ボクにはその点での活躍は無理だった。だから、テレサがふたりの寝室を他の人にオープンにしたいと言ったとき、ボクには反論する根拠がひとつもなかったのだった。テレサがどうしてもそうしなくてはいられないのなら仕方ないと同意したのだった。
最初、テレサが他の男性とセックスしていると知りながら生活するのは辛かった。でも、ボクは順応した。少なくとも順応しようと努力した。それでも、どんどんテレサがボクと愛し合うことが少なくなっていって、代わりに別の男とばっかり身体を重ねるようなると、ボクもどうしても不平を漏らしてしまうのだった。テレサの名誉のために言っておくけど、彼女はちゃんとボクの話しを聞いてくれた。彼女はそういうところは前と変わらず素敵なところだ。そしてテレサはボクの悩みに対する解決案をだしたのだった。4人プレーをしようという案。ボクと彼女が一緒にセックスする点で、一体感がある。それと同時に、それぞれがちゃんと満足感も得ることができる。彼女によると、これは一石二鳥の完璧な解決案だと。でも、ボクにとっては? ボクは男となんかセックスしたくない。妻が他の男に抱かれているとき、その同じ部屋にいるなんて、ボクは望まない。だけど、ボクには他に選択する道があっただろうか? やっぱり、ボクはこれに同意したのだった。そして、そんなわけで、今ボクはベッドの上、四つん這いになっている。そして、名前も知らない男のペニスに貫かれるのを待っているのである。
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