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浮浪者 (1) 

「浮浪者」Vagabonds by blackrandl1958
出所:https://www.literotica.com/s/vagabonds-1

よろけながらも、警棒を手にパティオに出た。バカ犬どもめ、またウチのゴミ箱をひっくり返しやがって。ゴミ置き場のドラムが転がる音で私は目を覚ました。今週になって3回目で、いい加減、私はうんざりしていた。ここの住民は、どうしてバカ犬どもを家に閉じ込めておくことができないのだ? 犬たちは腹をすかしているのは分かる。だが、こんなの馬鹿げてるじゃないか。

音を立てずに裏門を開け、飛び出て、みすぼらしい野良犬どもを懲らしめようと身構え、一気に門を開け、ゴミ置き場にダッシュした。ゴミ入れドラムの横、黒い姿がふたつ見えた。棍棒を振り上げると、私に気づいたようだ。

「お願い。腹がすいていたんだ」とひとりが言った。「片付けるから、叩かないでくれ!」

犬ではなかった。子供だった。だが、野良犬化した子供なのは確かだった。そこは暗かったので、私はふたりの首根っこを掴んで、家の庭の防犯灯の元へ引きずった。ふたりを立たせ、まじまじと見た。汚い、ぼろぼろの風体。浮浪者のようだ。よく分からないバギーの服を着て、野球帽を被ってる。冷え込んだ夜だった。ふたりが震えてるのが見えた。

「今週、うちのゴミ缶をひっくり返していたのはお前たちなのか?」

ふたりは顔を見合わせた。「はい。このゴミ缶にはいつもピザとか残ってるから。そのままにしてきて、すみません。もうしないよ。だから、逃がして。もう、迷惑かけない。ちゃんと後片付けするから」

これで許すのは良くないだろう。私はふたりのシャツを掴んで、ぐいぐい引っ張るようにして、家の中に戻った。バスルームに直行し、ふたりを中に入れ、ドアを閉めた。

「私が戻ってくるまで、出てくるんじゃないぞ」

私は寝室に行き、クローゼットから元妻のスウェットパンツ、フード付きウェア、ソックス、それにふかふかの大きなタオルを2枚を取り出し、それを持ってバスルームへ戻り、ドアを開けた。ふたりは窓を開け、そこから逃げ出そうとしていた。

「お前たちは、汚い格好でいるのが好きなのかもしれないが、熱いシャワーを浴びても体に害はないと思うぞ。シャワーにはソープとシャンプーがある。それに、これは清潔な服とタオルだ。服を脱いで、シャワーを浴びることだな」

「別に汚い格好が好きなわけねえし」と大きい方の子供が悪態をついた。「ここみたいなシャワーがねえんだよ。あんた、ずっとそこに立ってるつもりなのか?」

「お前たちが何か盗むかもしれないからな」

「ああ、その通りさ」と小さい方が言った。「あんたのトイレットペーパー、持って帰るかもな。オレたち、泥棒じゃねえし。おじさん、あんた、変態なんだよな? 少女が好きなんだろ?」

私は唖然とした。よくよく見ると、確かに、汚れの下には女の子の姿が見えた。「わ、私は……。君たちが女だとは知らなかった。ともかく、シャワーを浴びて汚れを落とすんだ。何か食べ物を用意してやろう。きれいになったら、キッチンに来なさい。食べ物をあげるから」

私はバスルームを出てキッチンに向かった。冷蔵庫を開け、食材を探した。冷たくなったフライドチキン。ポテトサラダがボールの半分ほど。半分食いかけのサラダ。サンドウィッチ用のパストラミとピクルス。フライドチキンをふたり分の皿に分けた。ひと皿あたり3ピース。それぞれの皿にポテトサラダを山盛り。サラダの野菜も盛って、ディップできるようにドレッシングも用意した。それぞれの皿にピクルスとパストラミ・サンドウィッチ。あと、私自身が食べるためにポテトチップスを盛った。いや、あの子たちも、食べたかったら、食べてもいいだろう。完璧のディナーじゃないか、と思った。あの子たちも、サンドに、ムエンスター・チーズとマヨネーズとマスタードが最高と思ってるといいなと思った。

バスルームのドアが開く音がした。その後、キッチンのドアの向こうで何か囁きあう声が聞こえた。1分ほどした後、ドアが開いた。そして、見たことがないほどの美少女がふたりキッチンに入ってくるのを見た。漆黒の長い髪とオリーブのような肌。緑の可愛いアーモンド形の瞳。高く隆起した頬骨とキュートで可愛い鼻。11歳か12歳くらいの、まだティーンになって間もないような感じに見えるが、元妻のブリアンナの服を着てるので、妙な感じだ。ブリアンナは背が高いが、この子供たちは小柄だ。袖もズボンの裾も捲くっているので、本当に浮浪者みたいに見える。


[2020/07/21] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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