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Wイェックス:妊娠 (16) 


少し経ち、僕は歌い始めた。「大きな玉があるのは誰? 大きな玉があるのは彼女! 彼女のタマが一番大きい。誰よりも!」

カレンはそれを聞いて笑い始めた。「オーケー、ちょっと笑っちゃったじゃないの。けど、もう行かなくちゃ。じゃあ、仕事に行ってくるわね、あなた」

僕は彼女にキスをした。「愛してる」

「あたしも愛してるわ」

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洗濯ものは洗濯機に入れたし、食器も食洗器から出したし、部屋の掃除も終えた。気がつくと何もすることがない状態になっていた。最近はこういうことが普通になっている。いったん子供ができたら、こういう自由な時間は一切消えてしまうだろうというのは分かっていたけど、今は、時間がたくさんあって持て余している。単なる主婦でいると、いくつか慣れなければならない状態があるということか。

僕は、昔からあまり熱心になるような趣味は持っていなかった。カレンが学校に通っている間、僕は仕事を2つ抱えていたし、自由な時間はいつも彼女と一緒に過ごしてきた。いろいろ体に良いだろうということで、運動もやっていたし、実際、筋肉がついていたように見える。だが、変身によって余分になった体重は自然に消えてしまうわけではなかった。行き場を失くした筋肉細胞は愚かにも脂肪へと成りすました。その変化で唯一、良かったことは、脂肪の大半が最適な場所についたということである。乳房やお尻や太ももだ。その結果、僕は驚くほど豊満な曲線美を誇る体つきになっていた。

暇に任せてテレビのチャンネルを変えては、何か死ぬほど退屈にならずに済む番組がないかと探した。昼間のテレビについては、昼間も放送しなければならないのだろうし、そうでなかったら、あのような番組にはならないはずだが、別に、あのような番組が好きだという人がいても、僕は別に気にしない。ただ、残念なことに僕はそういう人ではない。

最後には、ミュージック・ビデオの番組に出くわした。誰かが、僕が言及するのは完全に間違っている階層の人間であるような物事についてラップを歌っていた。ただ、若い女たちが曲に合わせてお尻を振っていて、そこに僕は惹きつけられたのだった。

最初は、あの豊満な女体が跳ねたり揺れたりする姿を見て楽しんでいただけだった。僕は今やバイセクシュアルになっていたが、だからと言って、素晴らしい女性の体を見て喜ぶことがなくなったわけではない。ただ、観ているうちに、ふと、僕自身のお尻の方が、踊っている女たちよりも大きく、そればかりか、つるんとして丸く、官能的でもあることに気づいたのだった。僕もああいうダンスができるだろうか? それを知る方法はひとつしかない。インターネットだ。

早速、女性としてエロティックにダンスする方法を教える動画を探し始めた。そして、男性としてストリップをしていた時の踊り方とは、まったく完全に違った動きだと分かった。

これなら筋肉をつけずにエクササイズをすることができそうだ。いま以上に筋肉をつける必要はなかったが、いまの体重をキープし続けるには、運動をする必要があった。

僕は新しい趣味を見つけたのかもしれない。

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[2020/12/03] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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