Shifting Relationship 「関係を変える」
「ほら、来なよ」とアレックスはこっちを振り返った。「水はすごく温かいよ」
僕は親友の姿をまじまじと見つめた。彼の新しい姿を理解しようとしていた。表面的には、彼は、モデルとして有利になろうと、体重を落とし髪の毛を伸ばしていた。中性的な感じにしたんだと、彼は言った。でも、僕には、彼が中性的と言う時、実際は女性的という意味で言ってるように思えた。実際、彼の姿は「女性的」という言葉の典型例と言えた。
確かに、彼には乳房はない。それに、当たり前だが、バギナもない。だが、それらを除けば、よほど自分に無理強いしない限り、彼を見て女性以外の存在を見ることはできなかった。もっと言えば、とても、とても魅力的な若い女性としか見えない。しかも、今は、ビーチにいるというのに、彼は素っ裸でいるのだ。
「言っただろ、僕はその気持ちになっていないんだ」
アレックスは怒った顔で僕の方を向き、近づいてきた。彼のスリムな身体やかすかに現れてる体の曲線に目を向けないようにするのが精いっぱいだった。つるつるに体毛を剃られた彼の男性器すら、ほとんど女性的と言っていい姿に見えた。彼は挑むように両手を腰に添えて、言った。「最近どうしたの? すごく変な感じに振る舞ってるよ?」
僕は肩をすくめ、両手を後ろに突いて体を傾けた。「分からないよ」 嘘だった。「ただ、泳ぎたい気分じゃないってだけかも」
「そのことじゃないよ。分かってるよね? ボクのことだよね? 君はボクが女に見えると思ってるんだよね?」
「いや、そんなんじゃ……」
「嘘をつかないで。本当のことは分かってるんだ。ボクを見る目つきを見ればわかるよ。それに、ボクが君の反応に気づいていないなんて思わないでね。ほら、まさに今も!」
僕は顔を赤らめた。下半身が固くなってくるのを必死に隠そうとしていたのだったが、うまくいっていなかったのは確かだった。「僕に何て言ってほしいんだ、アレックス? 君は僕の振る舞いが変だって言う。でも、僕は自分は正当な振る舞いをしてると思っている。というか、自分の姿を見てみろよ。本当に女の子に見えてるんだから。話し方も女の子っぽい。振る舞いすら、女の子の振る舞いだよ」
自分のことに意識が向いたのか、アレックスは腰から手を離し、つぶやいた。「ごめん……。ただ……こういうふうにするのを人が期待してるから。他のモデルたちより優位になっているとしても、こういう点では変な影響がでてるのだと思う」
「わ、分かるよ……」
アレックスは僕の隣に座った。「それ、ボクにお世話してもらいたい?」と、彼は僕の股間の方を顎で指した。「初めてじゃないし」
「な、なに言ってるんだよ? 君はゲイじゃないだろ」
アレックスは肩をすくめた。「ゲイであれストレートであれ、両者を分けてることって、そんなに多くはないって思い始めているんだ。というか、そういうふうになっているのを見ると、ボクはあるタイプの人をちょっと惹きつけてるようだし」
「男としたことがあるのか?」
「ああ」と言って、彼は片手を僕の太ももに添えた。繊細そうな手つきで。「何度も。そう言ったからと言って、ボクがそういうことに完全にハマっていると言ってるわけじゃないよ。でも、そういうことは嫌いだと言ってるわけでもないんだよ。ボクが言ってることの意味を分かってくれると思うけど。それに、誰にも知られないって。気持いいかもしれないし。キミとボクとだけで。一緒に家の2階に上がって、そこで……」
「分かった」と僕は言った。多分、ちょっとウキウキしすぎた声になっていたと思う。でも、そんな声になってしまったことは自己弁護できる。僕自身、もう何週間も前からそういう機会のことを考え続けていたのだった。いや、もっと前からかもしれない。「行こう」
アレックスはにっこりと笑顔になった。「これは、これからのボクとキミの関係が変わる楽しい出来事になりそうな予感がするよ」
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