僕は立ったままだったが、座ったままで泣き続けるカレンを抱き、背中をできるだけ撫で続けた。少し時間がかかったけれど、ようやく彼女は自制心を取り戻し、僕のお腹に狂ったようにキスをし始めた。
ちょっと引きさがると、カレンは顔を上げ僕を見た。その表情に、僕も泣き始めていた。「あたし、どうしても……どうしても希望を捨てたくなかったの。でも、本当に子どもを持てるなんて思っていなかった。ああ、ありがとう、アンバー。ありがとう、タイラー。これって……これって、これまであたしがもらった贈り物で最高の贈り物だわ」 もちろん彼女があのバカっぽいTシャツのことを言ってるのではないことは分かっていた。
僕はこみあげてくるものがあって声を出せなかったけれど、それは問題なかった。というのも、彼女は僕の胴体に顔を向けて、僕たちの赤ちゃんに話しかけ始めたから。
「こんにちは、あかちゃん。あたしは……あたしはずっとあなたのことを待っていたのよ。夢に見てたし、お願いしていたし、お祈りもしてた。あなたに会えるなんて思っていなかったの。あなたがこの世界に出てこれるようになった時には、あたしがそばにいるからね。両腕を広げて、あなたを待っている……」
そこまで言って、彼女は急に喉を詰まらせ、鼻水を啜った。「……だから、何一つ心配することはないのよ。あなたはあたしに会いに来れるよう、大きくなりさえすればいいの。他のことは全部あたしが面倒見てあげるから。約束するわ」
カレンはもう一度、愛しそうに僕のお腹にキスをし、それから、また、そこに顔を埋めすすり泣いた。この時は僕も一緒に泣いていた。
カレンは、ぎりぎりだったけれど、最高級レストランの予約に間に合った。ディナーの間、彼女は堂々と例の「世界で一番のパパ」のTシャツを着ていた。レストランの人たちがドレスコードを盾に僕たちを追い出さなかったのは、カレンがいくらか包んだからだろうと思っている。
カレンの反応に夢中になっていて、僕はビデオカメラのことを忘れており、ずっと録画しっぱなしにしていた。だから、カレンの反応ばかりではなく、キッチンテーブルでその後に行った激しいセックスも録画していた。カレンは、その両方の録画について、とても僕に感謝してくれた。
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