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Master and Me against the World 「ご主人様とあたし世間に歯向かう」 

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Master and Me against the World 「ご主人様とあたしで世間に歯向かう」

初めは、抵抗しようとした。分かってる……自分こそは最高の話を知っていると思うとは何て愚かなことか。でも、あたしはそうした。自分自身のストーリーを賭けると本気で信じていた。でも、言ったように、その点に関するあたしの間違いをご主人様に正してもらうまで、そんなに時間はかからなかった。

初めてご主人様が支配権を握ったときのことを覚えている。当時、あたしは、自分こそが仕切ってると思っていた。あたしは自分自身の特権、自分の人気の高さに盲目状態になっていた。それに、なんだかんだ言っても、彼はあたしの餌食だったし。彼は弱くて、あたしは強かった。じゃあ、なんで、あんなに容易くあたしは屈服してしまったのか? なんで、あんなに容易く彼に支配権を明け渡してしまったのか?

2年以上たった今でも、あたしには分からない。彼はあんなに物静かで控え目な男だ。彼を地べたにひれ伏させることができた時があったのは確実。だけど今は? 彼の足にキスをするのを許してもらえるだけで、ありがたいと感謝している。

確かに、彼の後ろを哀れな子犬のようについて回るようになった時は、ちょっと恥ずかしかった。あたしの友人たちはみんな、あたしは気が変になったと思った。みんな、あたしが彼に悪い冗談を仕掛けているのだろうと思った。でも、あたしには見えていたことが、どうして彼らには見えなかったのか、いまだに理解できない。どうして、彼はみんなに敬愛される価値がある人だと分からないのだろう?

でも、あたしが服装や立ち振る舞いについて、色々変え始めると、周りの抵抗はますます強くなっていった。授業に化粧をして出ると、友だちがハラスメントをしてきた。みんなで、あたしをバカにしたし、あたしに自分がしてることは本当にしたいことじゃないんだと納得させようとしてきた。あたしはそんな周りの意見を無視し、次の日には服の下にパンティを履いて出かけ、その翌日にはドレスを着て出かけた。ウイッグも被って。そう言うことが続き、やがてあたしの周りには誰も近寄らなくなった。でも、全然、気にしなかった。心の空白を埋めてくれるご主人様がいたから。

だから、彼がとうとう女性ホルモンを摂取し始めたらどうかと言った時、彼の提案に反対する人は誰もいなかった。あたしの周りには誰もいなかったから。それに、彼があたしに女みたいな姿になってほしいと思っているとしたら、あたしが反対するわけがないじゃない? 同じ理由で、あたしはちょっとした「修正」のための整形手術を受けた。結局、大学のための学資資金を全部それにつぎ込むことになったけれど、気にしない。ご主人様は、あたしが教育を受けていようがいまいが気にしなかったから。従順であるかどうかだけが問題だったから。

それが1年前までのこと。それ以来、あたしはご主人様の理想的なペットになるためにできることを何でもしてきた。裸でいる時間の方が、服を着ている時間より長いけれど、それも気にならない。ご主人様があたしを見せびらかすために、あたしの前の友だちやガールフレンドたちのところに何度も連れ出すけれど、それも気にならない。彼はずいぶん頑張ってあたしを変えてきたので、あたしの今の姿を自慢するのも当然といえるから。

昔の知り合いたちがあたしに放つ言葉や、恐怖に満ちた表情や、「助けてあげる」という申し出の数々。そんなのは全部、簡単に無視できる。ご主人様がいる限り、あたしは幸せだから。他のことは本当のところ何も重要じゃないから。

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[2020/12/24] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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