すると彼女が言葉をかけてきた。とぎれとぎれで、かすれた声で。
「ああ、なんてこと、マック! あたし……あなたに……滅茶苦茶にされた!」
ブリイは、そう言ったきり、またしばらく震えていた。僕は彼女を抱きしめ、髪を撫で、背中のシルクのような肌を軽く叩き続けた。やがて、ブリイは顔を上げ、僕の瞳を覗き込んだ。
「マック、愛してる。ずっと愛してる。あたしは身勝手で嫌な女。それも分かってる。本当の意味で自分を誰かにゆだねることは一度もなかった。でも、今は、あなたにすべてをゆだねてしまったわ。マック、あたしのことが欲しい? 多分、生まれて初めて、あたしはそういう気持ちになったと思う。本当の意味でのあなたの友だち、あなたと愛し合える女、あなたの妻、そしてあの娘たちの母親になれる気持ちになったと。あたしに手を貸してくれる? あたしを愛してくれる? わがままなあたしを我慢してくれる? 神様に誓ってもいいけど、絶対、あなたにがっかりさせないから。あなたが手を貸してくれたら、そうできる気持ちになっているの、マック。それくらいあたしを愛している?」
僕は自分の唇を彼女の官能的な唇に押し付けた。「他の何より、君を愛しているよ。君も僕に手を貸してくれなきゃダメになるよ。僕が君に我慢するのと同じくらい、君も僕に我慢しなければならない。僕もずっと君を愛してきた。僕たちがチームを組んだら、何とかできるさ」
「あなたのためなら何でもするわ。それにあの娘たちのためにも、何でもする。こんな気持ちになるなんて、夢にも思っていなかった。あの娘たちがあたしの生活に入り込んできたら、どうしても自分を抑えることができなくなったの。怖いの、マック。自分がだらしない母親になるんじゃないかって、怖いの。ずっとそれを恐れていた。だから、子供を持つのを考えようとしなかったんだと思う。あの娘たちの人生を台無しにしてしまうんじゃないかと恐怖を感じているの。ああ、マック、どうしたら母親になれるのか、全然、分からないのよ、あたし」
「僕も分からないよ」とくすくす笑った。「多分、父親になるのも同じくらい難しいんだと思う。こういうことって、実際にやってみながら学んでいくことだと思う。誰でも、開始した時点では、どうしたらよいか知らないものだし。それに、僕は、どうしたら夫になれるかも知らないんだ。ともかく、良い夫になるにはどうしたらよいか。最初の時は、僕たち、失敗してしまったわけだし」
「ええ、そうね。大半はあたしのせいだった。あんな子供みたいに振る舞ってしまって。いろんな点で、あたしは依然として子供みたいだわよ、マック。もっと成長するよう一生懸命頑張るつもりだけど」
「ああ、僕もそのつもりだよ」 と僕は彼女を強く抱き寄せた。
いつの間にか、僕たちはそのまま眠りに落ちたようだった。