ちょっと脚を開いて、スカートの中に手を入れた。ちょっとめくりあげて、鏡の中の自分を見て、「あっ」と思わず声を出してしまった。だって、股間の生地からあそこの唇がはみ出していたから。しかも濡れてる!
人差し指を伸ばして、布地の割れているところに沿って撫でてみた。指にトローッとした湿り気がくっついている。その濡れた指を唇に近づけ、お口を開いた。そんな自分の姿を鏡で見ていたら……電話が鳴った!
びっくりして跳ね上がり、素早く手を戻した。またベルが鳴る。
「んもうッ!」と、突然、邪魔され、不満げに叫んだ。
そして、またベルが鳴る。止まりそうにない。仕方なく、電話に駆け寄り、受話器を取った。
「もしもし!」 イライラした声になっていた。
「ケイト? あたし、ベティです」と若々しい声。
ベティ? あ、あのセックスショップの若いセクシーな店員さん!
「あら、まあ、ベティ。調子はどう?」 体が興奮しているのを隠そうと、わざと明るい声をだした。
「いいわよ。あなたとクリスティはどうしてるかなって、ちょっと気になって電話したの」
「まあ、ちょっとお家のお掃除をしたり、クローゼットの整理をしたり。まあ、そんなところ。クリスティは友達のところに遊びに出かけているわ」
嘘をついた。でも、いま、何か使って自分でアソコをいじろうとしてたなんて、言えっこないし。
「それは退屈ね!」 まさに核心を突いた返事!
「良かったら、お店に遊びに来ない? 今、積極的に紹介してる新製品があるの。あなたに手助けしてもらったら、楽しいことができるんじゃないかって。あたしが仕入れたモノ、ぜひあなた見てもらいたくて」と彼女は笑った。
ベティの笑い方、大好き。メロディがついてるように聞こえるし、幸せな気持ちを振りまく感じで、心を惹きつける。
「モノ? どんなモノ?」 急に好奇心がくすぐられてしまう。
「まあ、店に来て、ちょっと見てみて。絶対、気に入ると思うから」
ベティが「モノ」と言ったものは、アダルトグッズ以外にあり得ない。こんなに興奮して、しかもひとりでいる今の自分にとって、まさにアダルトグッズこそ、欲しいモノだった。
「ああ、面白そうね。じゃあ、30分くらい待ってて。すぐに行くから」 注意して、落ち着いた声で返事するようにした。でも、心の中ではすでにものすごく興奮していた。
「嬉しい! じゃあ、待ってるわね」とベティは電話を切った。
あたしこそ、嬉しい! ジョンや息子が帰ってくるまで性的な飢えをしのぐための自分専用の道具を手に入れるわけね! 鏡を見て、にっこり微笑んだ。この格好で出かけたら、どうなるかしら? すごくセクシーだし、胸がやっと隠れているドレスだから、確実に、すれ違った人たちに振り向かれるわね。鏡の中の自分にうっとりし、偶然その場に居合わせた男性を焦らすことになるかもと期待しながら、あたしは家を後にした。
ベティのお店に向かう途中、ちょっと引っかかっていることがあって、それを考えていた。ベティは「今、積極的に紹介してる新製品がある……あなたに手助けしてもらったら……」とかと言っていた。それってどういう意味だろう? 紹介しているって、誰に? 商品を買ってくれそうなお客さんのこと? それに、あたしの助けって、どんなこと?
急に、このドレスを着てきたことが、そんなに良いこととは思えなくなってしまった。お店に男性がいたら? しかもたくさんいたら、どうなるだろう? うつむいて自分の胸元を見た。胸の盛り上がった肌が丸見え。乳首にギリギリ近いところまで見えてるし、谷間も乳房の下まで見えている。さらに、その先の脚へと目を落とすと、こっちも、すごく露出していた。運転席に座ってる姿勢だと、股間からはみ出してるあそこの唇まで見えてしまいそう!
「ああ、どうしよう」と心配しながら、ベティのお店の駐車場へ車を入れた。