俺はミセス・グラフの濡れた肉穴に指を出し入れしながら、質問を続けた。
「お前の旦那は、俺の兄のように、お前に対して魔法のような特別な夜をもたらしてくれたか?」
「い、いいえ」と、彼女は息を詰まらせ、小刻みに体を震わせ始めた。
両手ともテーブルの端をしっかりつかみ堪えているところを見ると、オーガズムに達しているのだろう。目を閉じ、下唇を噛んでいる。震えながら頭を俺に寄せ、顔を俺の胸板に当てた。膣肉が収縮を始め、俺の指をきつく締め付けてくる。
「兄に身体を上下に揺さぶられて、繰り返し貫かれ、お前は頂点に達したんじゃないか?」
「そうよ………」と、彼女は俺の首に熱い息を吐きかけ、同時に、コントロールできなくなったのか体をがくがく震わせ始めた。
彼女がオーガズムの頂点にとどまり続けた数十秒、ふたりとも何も言わず、沈黙の時間が流れた。テーブルの端を握る彼女の手は、あまりに強く握っているせいか、ほとんど血の気が失せていた。息づかいはどんどん乱れ、熱い吐息が絶え間なく俺の首筋から胸にかけて吹きかけられる。言葉については沈黙が続いたが、体は雄弁に訴えていて、狭い肉筒は発作を起こしたように繰り返し収縮を続け、そのたびに愛液を分泌し、俺の指を濡らした。
しばらく経ち、ようやくミセス・グラフの震えが引き始めた。
「その後、兄は何をした?」
ミセス・グラフは、乱れた呼吸を落ち着かそうと顔を俺の胸板に埋めたままでいた。テーブルをつかむ手の力も弱くなり、それに合わせて手に血が戻ったのか、急に普通の色に変わった。彼女は、一度大きく深呼吸した後、ようやく目を開いた。震える手を伸ばしてコーヒーカップを取り、ひとくち啜った。ゴクリと音が聞こえるような飲み方をした後、カップを元に戻す。そして、唇をひと舐めした後、顔をあげ、俺の目を覗き込んだ。
「あたしを抱いて、体を上下に揺すり続けたまま、ビーチの方へ歩き始めたわ。ビーチへとどんどん近づいていたけど、あたしは、何度も貫かれていて、ずっとイキっぱなしだった。水は徐々に浅くなっていて、とうとう、あたしの身体がすっかり水面から出てしまった。水中にいた時より、水の外に出た時の方が全身の神経がピリピリする感じだった。風は暖かだったけど、濡れた体に当たると刺激が強くて。両脚は彼の腰に巻き付けたまま。もちろん彼のアレもあたしのアソコに入ったまま。そのままの格好で、波打ち際まで来てしまったの」
ミセス・グラフは、そう言って、また目を閉じ、頭を少し後ろに倒した。