Summer fun 「夏の楽しみ」
「そこにいるのは分かってるわよ、アダム」 そう言ったとたん、隣の家の茂みがゴソゴソなる音がはっきりと聞こえた。そして、その後、何秒か静まり返る。あたしはさらに続けた。「フェンスの後ろから出てきてもいいのよ?」
ちょっとした後、若者が、即席に作った隠れ場所から姿を現した。もちろん、あたしは彼を知っている。もう何年もお隣同士なわけだから。以前は、年齢差にもかかわらず、あたしたちは友達だった。あたしが大学に行って2年ぶりに実家に戻ってからは話しをしていなかったが、彼の姿は目にしていた。そして、自白してしまうと、あたしは、彼の姿形が気に入っていた。
背が高く、肩幅が広く、男らしい顎。どこから見ても、アメフトのクオータバック選手でプロムキングそのもの。実際そうだったけど。運が良いことに……というか、少なくともあたしが期待したことだけど……彼は今は18歳になっていた。しかも、茂みで股間を隠してる様子から判断するに、彼はあたしにとても興味を持っている様子。
「あたしのことスパイしなくてもいいのよ。分かってると思うけど。好きな時いつでも、見たいだけ見ていいわ。しろと言ってくれたら、あなたにちょっと踊って見せてもいいのよ」
言ったことを強調するために、ちょっとだけ腰を振って見せた。そのご褒美なのか、彼は顔を真っ赤にさせた。「な、何があったの……君に……?」と彼は口ごもりながら言った。
「転換したの……ようやくね。こうなりたいなって何年も思っていたんだけど、大学に進んで地元を離れるまでは、踏み出す勇気がなくって。でも、この2年間で、何も恥ずかしがることはないんだって悟ったのよ。あたしは女。もうそれを隠すつもりはないわ。だから、実家に戻って、両親にすべてを話したの。今は、自分の人生を最善にすることだけに意識を集中してる」
「ほ、本当?」 彼は訊いた、ちょっと当惑気味な感じだったけど、決して独善的に人を決めつけるような感じではなかった。
「本当よ」と請け合った。「それで、あなたがここにいることだし……ちょっと手伝ってもらえると助かるんだけど……?」
「どんなこと?」
あたしはにっこり笑い、彼の勃起を隠してると思われる茂みに視線を向けた。「あたしが何を求めてるか、あなたも分かってると思うけど。誰にもバレないわ。ふたりだけの秘密にできるはず」
彼は返事をする必要すらなかった。何も言わずとも、彼をゲットできたと分かった。あたしはゆっくりと彼の方へ進み、彼の手を握った。そしてあたしの家の中へと導きながら進んだ。この夏ずっと、彼とふたりでいろんな楽しいことをできるといいなと思いながら。