スティーブは、リモコンのボタンを押し、画像を拡大させた。徐々にズームインさせ、バーバラの手にある布切れが、白いビキニ・パンティであることがまったく疑念がなく見て取れるところまで拡大し、そこで止めた。スティーブは何も言わなかった。バーバラは、カウチの上、静かに啜り泣きを始めていた。
スティーブは、画像の静止ボタンを解除し、早送りをした。バーバラが背中を向けて、川の中からハンドバックを拾おうとしているところで止める。画面の中、バーバラは前かがみになって、川の中を探っていた。
「恐らく、バーバラは車から這い出たとき・・・あるいは穴か何かに躓いた後か、自分のスカートがこんなに捲れ上がっていたことに気づいていなかったのでしょう」
スティーブはそこまで言って、後は何も言わなかった。画面の中、バーバラのスカートはすっかり捲れ上がっていた。スカートの裾は、腰のベルトのところで丸まって引っかかっているようだった。明らかに何も履いていない、裸の白いお尻がすっかり見えていた。部屋の中の全員、見ているものに関して間違いようがなかった。スティーブは再生ボタンを押した。何秒か先にビデオを進める。
「そして、これが・・・前から見たところ」
スティーブはツアーの旅行客に名所を案内するガイドのような話し方になっていた。
「ご覧のように、愛する妻の乳房があられもなく揺れていますね。どういうわけか知りませんが、バービーはあの日、公園に行くとき、ブラジャーを着けずに行ったようです。ええっと・・・ポーター氏の夫婦問題の相談相手になれるよう、そうして行ったということなんでしょう」
スティーブは再び静止画像にした。バーバラの乳首が、冷たい水に触れたせいなのか・・・あるいはポーターに奉仕してもらっていたせいなのか・・・固くなって、ブラウスの濡れた生地の下、突き出ているのがはっきりと見えていた。スティーブは何も言わなかった。その代わり、再びテープを巻き戻した。今度は、ポーターが車の窓から這い出てくるところで止める。彼のボクサーパンツの開き口から、だらりと萎えたペニスがぶら下がっているのが見えた。
スティーブは、それ以上、何も言わずにビデオカメラのスイッチを切った。実際、これ以上、言葉は不要に思われた。
「とういうわけで、バーバラ・・・キスも、ペッティングも、セックスもなかったと? え?」
ロイドは両手で頭を抱えていた。彼は、最後のところは見ることができずにいた。ダイアンは、唾を飲み込んでいた。何を言っていいのか分からない。
バーバラは、打ちひしがれた声で言った。
「彼とはセックスしてないわ・・・決して!」