レドモンドの家までは車で少なくとも45分はかかる。だが今回はもっと時間がかかるだろう。というのも、クリスは、この先、こんなに夜遅くにジャネットを送っていくチャンスは、今回を置いて、ないだろうと思っていたから、ゆっくりと行きたかったのである。それに、車の運転も容易ではなかった。肩にレドモンド先生がもたれかかっており、彼女の香水で頭がくらくらしそうだった。
始めの15分ほど、ジャネットは、酔った調子であれこれ呟いていた。クリスは運転に集中していたので、ほとんど彼女の言葉を聞いていなかった。もっとも、もたれかかっている彼女の体が発する温かさは、はっきりと自覚していた。しばらくすると、車内が静かになっていることに気がついた。レドモンド先生は気を失ってしまったか、眠りに落ちてしまったのだろう。クリスは助手席に目を落として微笑んだ。彼女のドレスの裾が、下着が見えそうになるまで太ももをめくりあがっていた。両脚も大きく広がったままで、その度合いは、レドモンド先生が生活している社会では容認可能な度合いを超えている。ドレスのトップに目をやると、豊満な胸の谷間が奥まではっきりと見えていた。助手席に何度も目を向けることなく、クリスは再び興奮し始めていた。彼自身は自制しなければと思っているのだが、ペニスの方は勝手に長さを増してくるのを感じていた。ジョギング・パンツの中、みるみる伸びているのを感じる。
いいか、運転に集中するんだ、と自分に言い聞かせ、興奮しまいと意志の力で自分を制しようと努めた。だが、そんな努力はほとんど役に立たなかった。何分もしないうちに、彼は完全に勃起してしまっていた。太もものところ、ショートパンツの中から押し上げていて、居心地の悪さを感じる。もう何センチか大きくなってしまったら、ショートパンツの裾から亀頭が顔を出してしまうだろう。
このようなことをすべきではないとは分かっていたものの、クリスはレドモンド先生のデザイナー・ドレスの裾に手を伸ばしていた。震える手で、ゆっくりとシルクの生地を引き上げ、下着があらわになるのに必要なだけめくり上げた。そして、ドレスの裾をその位置にしたまま、手を戻し、ハンドルを握った。手は戻したものの、視線は、目にしている光景からなかなか戻せなかった。運転席からの薄明かり、それに町の街灯を通り過ぎるたびにもたらされる明かりの中、彼女の太ももとその奥の下着に覆われた部分が目に入った。さらに、その下着の伸縮性がある生地の縫い目から何本か縮れた陰毛が出ているのも見えるようにさえ思った。クリスは、ペニスがぴくぴくと痙攣し、透明なよだれを出し太ももを濡らすのを感じた。
赤信号になり、クリスはブレーキを踏んだ。そのとたん、それまで彼の太ももに置かれていたジャネットの手が反動により浮き上がり、彼の脈動する肉茎の上にじかに降りるのを感じた。いまやクリスは本当にジレンマに陥ってしまった。彼女の手を取って元に戻すべきなのか、それともそのままにしておくべきなのか? 彼の片方の肩には、あの純真で可愛い天使が座っていて、もう一方の肩には、あの悪魔が座っている。不幸なことに、20歳という年齢では、悪魔が勝利を収めることが多い。クリスは、彼女の手をそのままにしておいたのだった。
車は、何度かカーブを曲がったり、信号での停車と発進を繰り返しながら先を進んだ。そのたびにジャネットの手はクリスの太ももの上を跳ねるように動き、さらにいっそう彼の興奮を高めていた。やがて、彼女の手が、ショートパンツの上、ちょうど彼の亀頭を覆っている近くに来ていた。クリスは心臓を高鳴らせながらも、腰を、ほとんど分からないほどわずかに上げ、ジャネットの手が2センチほど移動し、亀頭を覆っている部分に滑り来るようにさせた。古い車なので振動が大きい。そのバイブレーションによりジャネットの手は小刻みに動いていた。それを受けて、クリスの勃起は、ショートパンツの中、文字通り痙攣し続けていた。
彼は、もはや興奮を自分でコントロールすることはできなくなっていた。手を降ろし、ジョギング・パンツの裾を引き上げ、ペニスの膨らんだ頭部を外に出し、ジャネットの手に触れさせたのだった。プレカムで濡れ、熱く熱せられた頭部を、彼女の手の柔らかく、ひんやりとした肌に触れられ、思わず、彼の唇からうめき声が漏れた。自分のその器官が、切実に何かを求めるようにひくひくと脈動し、壊れた蛇口のように水漏れを起し、漏れたジュースが太ももを伝い、運転席のシートへと滴るのを感じた。
可愛い天使と邪悪な悪魔が再び現れた。悪魔がすべてのカードを手にしていた。