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心が望むものをすべて 6 (5) 

彼女は、目を閉じ、快感に集中していた。その眼がゆっくりと開く。背中に私の身体がもたれかかるのを感じ、私があれほど愛した、固く、敏感な乳首を私の指の爪がつまむのを感じたからだろう。彼女は顔を横に向け、私の顔を見て微笑んだ。そして後ろ向きのまま、両手を後ろの回し、私の尻頬を押さえ、自分の体に強く引き寄せた。彼女の手が私の視界を過ぎるとき、彼女の爪をちらりと垣間見た。セリーヌの爪のように長く伸びているように見えた。でも、その爪のアートは、真紅にゴールドのネール・アートで、ダニーのお気に入りの色合いだった。あのエレガントな爪が、私のお尻の柔肌に食い込む。その甘美な感覚に、背筋にぞくぞくとした電流が走った。私と彼女は、その姿勢のまま、一緒に達した。何ヶ月ぶりだろう。お互いが、それぞれが相手としている逞しい男性に、打ち込まれながら、2人、身体を密着させてオルガスムに達したのだった。

私の想像の世界で、お菓子屋さん(参考)が再び、店を開いた。そんな感じだった。美味しそうなお菓子、甘い香り、きらびやかな様々な色に囲まれる感覚。最初は、それぞれの組でプレーを始め、次に4人プレーになっていたが、それが時々、駄洒落のつもりではないが、セックステット(sextet)、つまり6人プレーになることもあった。私も、いろいろワイルドな性的妄想をしてきたけれど、このときのようなことは思い浮かべたことがなかった。つまり、私が一人の男性の上にまたがって、彼の大きな男根であそこを満たしてもらい、同時に、私の後ろに、愛するダニーが膝を付き、私のアヌスを満たしてくれる。さらに、そのダニー自身も、彼女が相手している男性に後ろから打ち込まれているのだ。私を貫いている男性とダニー。その2人が同時に達し、私の中に激しく精を放ったとき、私は高台の崖を飛び越え、そのまま宙にとどまった。自分がどこにいるか、今いつなのか、自分が誰なのか、そしてどこまで先に落ちていくのか、そのすべてが意識から消えた。

どんなひと時もやがては過ぎ去ってしまう。その時も同じだった。やがてオルガスムが引いていくと、ダニーが後ろから私をきつく抱きしめてくれた。私の耳元に顔を寄せ、囁いた。

「夢に描いていたのと同じくらい良かった?」

私は、満足した笑顔を浮かべて、肩越しに振り返り、彼女の顔を見た。

「それよりずっと良かったわ」

彼女は私の頬に軽くキスをした。

「お誕生日、おめでとう」

私は、理解できずに彼女の顔を見つめた。それから頭を急に反対側に向け、レキシに視線をやった。レキシは、彼女自身が相手してる馬に乗っていたが、私のことをじっと見ていたようだった。私たちのことを見て、にんまりと笑い、ウインクしていた。その瞬間、今夜のことが仕組まれていたことを知った。私はダニーに関心を戻し、彼女にディープキスをした。彼女もキスを返してくる。

「ありがとう。あなたのことをとても愛しているの。この誕生日、完璧なものにするものは、あともう一つしか考えられないわ」

ダニーは目を落とし、軽く肩をすくめて見せた。それから再び頬に軽くキスしてくれた。

「それはできないわ。まだしなくちゃならないことが残ってるから。私があなたの誕生日を忘れてしまったとか・・・気にしていないと、そういう風に思って欲しくなかっただけだから・・・」

その瞬間、心が一気に沈んだ。ああ! 一瞬、希望を抱いたのに・・・。私は、本当に彼女の心を傷つけていたのだと思い知らされる。それでも、彼女は、私のことを考えてくれていて、誕生日に私の夢をかなえてくれた。私という人間は、本当に彼女には値しない人間なのだ。

でも、少なくとも、彼女と会っている間は、落ち込んでないふりをして、彼女と一緒に楽しもう。

レキシに説得され、それぞれの相手の男性を連れて、彼女のコンドミニアムに場所を変えることになった。もちろん簡単には説得されなかったが。場所を変えるため部屋を出るとき、私が愛する人は、再び、頑強な彼氏の上に乗馬する体位になっていた。私は、無言のまま、懇願の表情で彼女の目を覗き込んだ。彼女は、またがっている逞しい男性の顔を見下ろしていたが、私に気づき、顔を上げた。そして、かすかに微笑み、頭を左右に振った。

「・・・別のプランがあるの・・・」

私は、苦々しい落胆の気持ちが表に出ないように努めた。男性の上に乗ったままの彼女を優しく抱きしめ、頬に優しくキスをし、耳元に息を吹きかけるようにして囁いた。

「あなたがいなくて寂しかった」

部屋を出ながら、肩越しに振り返り、最後の見納めとして、彼女の姿を見た。いつも、いつまでも、私にとって、たった一人のあの人の姿。彼女も肩越しに振り返り、私を見ていた。

[2007/02/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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