正直、これは僕が求めていた状態を超えていた。・・・ショックだった。
「ママは、どこでそんな考えを思いついたの?」
ママはようやく僕がショックを受けていることに気づいたらしい。少し面白がっている表情が顔に浮かんでいた。ママは、(僕が2歳のときに離婚した)僕のパパが、そういうのに興味を持っていたと話した。それを聞いて、僕は恐怖を感じた顔をしたのだろう。それを見てママが言った。
「親だからと言って、性的に清廉潔白な人間だと思い込むべきじゃないわよ。でも、大丈夫。ママはあなたのパパとそういうことをしたわけじゃないから。何もしなかったわ。ただ、あなたのパパが、お気に入りの成人向けの小説でどういうシーンを好んでいたか、たまたま知っていたというだけ。私も、そういう本を好奇心から、眺めたことがあったという、それだけよ」
ママはそう言って僕を落ち着かせた。その夜は、その後もずっとおしゃべりを続けた。
翌日、別の問題が姿を現した。ママとケンは、あるリゾート地に1週間のバケーションを計画していたのだった。ママは、すでに、その旅行の飛行機チケット代とホテル代を支払っていた。両方とも払い戻しが効かないという。
「前は、ケンにチケットをあげようと思っていたけど、もう今は、ケンとダルラには一切、親切にしてやらないと決めたの。だから、ママと一緒に行かない?」
でも、明らかに、そのホテルの部屋は、ベッドがカップル向けになっているはずで、その点をママに指摘した。
「ひょっとすると、ツインになってるかもしれないわ。それに、なんだかんだ言っても、私たち親子なんだから、問題ないわよ」
「でも、ホテルの人たちが変に思うかもしれないよ」
ママは少し考えているようだった。
「・・・そうねえ・・・じゃあ、こうしましょう。誰にも私たちが母と息子だと教えないの。それだったら、みんな、私たちのことカップルだと思うでしょう?」
多分、僕は困惑した顔をしていたのだと思う。ママは僕のことを見て笑い出した。
「うふふ。でも、その点さえ気にしてくれなければ、ママとしても、代役の彼氏を連れているという恥ずかしい気持ちもまぎれるから、助かるんだけど?」
僕はちょっとびっくりしたが、一週間、泳いだり日光浴をして、ママと一緒に遊びまわるというのは、楽しそうに思った。そこで、僕はママの計画に乗ることにした。
出発の日になるまでに、ママは僕を説得して、ママのことをスーザンと言う名前で呼ぶようにさせていた。僕自身、ママとカップルになって行動することが楽しみになっていた。笑える話になりそうに思ったから。ママは確かに僕より年上に見えるけれども、それでも、とても美人であることには変わりない。僕たちを見た人々は、僕が年上の女性をゲットしたのだと思うだろう。それに、1週間、代役の彼女を持ってデートするということに何の問題もないように思った。問題が生じる理由が見当たらない。
だが、旅行の2日目にして、僕はその理由を見つけたのである。