だが、車が家の前に入っていくと、僕の心は突如、明るくなった。アネットが、弾むようにして家から出てきて、僕たちを迎えてくれたんだよ。ひょろひょろとして、不恰好で、貧乳のいとこが、今は、成熟した元気でセクシーな田舎娘(良い意味)に変身していたのに気づくまで1秒もかからなかった。髪は長く、ゆったりとした服を着てた。そして、なにより、大きなおっぱい。まさに、大きくなって欲しいところだけが、見事に充分、発達していて、夢のようなプロポーションになっていたわけ。さらに、カラダよりも良いのが、アネットの顔。顔つきも、顔色も、まさに田舎娘(良い意味)の健康的な新鮮さ。「プリティ」という言葉の意味に、ぴったり合う。アネットがそれだったのである。
僕は彼女から目が離せなかった。彼女を見たまま、「ハイ!」と声をかけ、車の後部座席から降りた。
「ハイ!」と彼女も答えた。ティーンエイジャーはあまり語彙を使わないのは、万国共通だね。
僕とアネットは、一瞬にして、互いに惹かれ合った。だけど、僕の親たちは、それに気づいていなかったのは確か。もう、2人とも本当に年寄りなんだ。多分、30歳代になっていたと思う。ひょっとすると、40歳代になっていたかも。その歳になったら、昏睡状態まで、あと一息だね。ティーンエイジャーに聞いてみれば、誰でもそう言うよ。
僕たちは車から荷物を降ろし、バッグを引きずるようにして家の中に運んだ。僕の家族が客用の部屋に落ち着くまで、数分とかからなかった。もっとも、僕は、地下室に行って、そこにある簡易ベッドで、持ってきた寝袋に包まって寝るつもりだったけど。ようやく落ち着いた後、みんなで階下に降りた。ビリーおばさんが夕食の準備をしてくれていたから。夕食を始めたのは、もうかなり遅くて、8時近くになっていた。フレッドおじさんの農場では、普通、9時にはみんな寝てしまう。だから、この日はちょっとしたイベントだったわけだ。
アネットと僕は、大人たちからこっそり離れてはいたものの、大人たちよりも夜更かししたり、長く外に出ていたりすることはできなかった。僕も彼女も、そんなことをしたら、すぐに、あの2人は何をしてるんだとかどこに行ったんだと言われると分かっていたから。というわけで、大人たちが食器を洗ったり、キッチンを整理している間、僕たち2人はポーチに出て、おしゃべりをしていた。そしてすぐに就寝の時間。僕は、素直に、アネット、僕の両親、そしてビリーおばさんとフレッドおじさんに、おやすみと言って、そのまま眠った。