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いとこの唇 (5) 

アネットは、あっという間に服を脱ぎ捨て、駆け出し、冷たい水の中に入ってしまった。僕も、ものすごく恥ずかしかったけれど、仕方なく服を脱いだ。顔を上げると、彼女は水の中に入っていて、頭だけ水の上に出して、こっちを見ていた。僕が水の中へと歩いてくるのを見ている。僕が気まずそうな顔をしているのを見て笑っていた。もっとも、彼女の両目がどこに向けられていたかについては、絶対に間違いはない。僕のちんぽをまじまじと見ていた。

ようやく、股間が隠れるほど深い位置まで来た後、僕はアネットを追いかけ始めた。こんな風に僕を驚かせたことに対して、しこたま仕返しをしてやるつもりだった。彼女は、小さな湖の中央へと泳ぎ始め、僕も後に続いた。驚いたことに、アネットはなかなか泳ぎが上手くて、僕がいくら頑張っても、距離がなかなか縮まらない。追いつくまで1分はかかりそうな距離をキープして、先を進んでいる。僕は、距離を縮めているか確かめるため、ずっと顔を上げたまま泳いでいた。水を蹴る彼女の脚や、時々、水面から顔を出すお尻が見え、その意味では眼を楽しませることができた。

突然、アネットは泳ぎを止めた。僕は知らなかったのだが、この採石場の水溜りの中央には大きな岩があったのだ。水面下13センチほどところである。何分もかからぬうちに、僕にも、その岩は、たった一人しか座れない程度の大きさであることが分かった。アネットが先にその岩に着いていて、腰掛けていたのである。乳房がつんと突き出ていて、胴体全体も丸見えになっていたが、腰から下の部分は水の中。

この水溜り、川の1部とかといったものではなかった。ただ単に雨水が溜まっているだけで、流れがあるわけではない。ということはどういうことかと言うと、多少、汚れた淀みなのであって、手を沈めたとして、30センチかそこらなら見えるけれど、それ以上深くなると、どんよりとして見えないということ。

で、ということは、またまたどういうことかと言うと、水を通して、彼女のお尻とか、両脚の付け根に生えている若々しい陰毛はちゃんと僕にも見えるということ。残念ながら彼女は両脚をぴっちり閉じていた。

ようやくアネットに追いついたけれど、僕はちょっと息が切れていた。岩にすがりつきながら、彼女に話しかけた。

「ショックだよ」

「可愛い私に?」 おどけ気味な言い方。

「いや、ここのみんなに」

僕はヌードビーチは初めてだった。『プレイボーイ』で、フランスのヌードビーチの写真を何枚か見ただけ。でも、それまで、僕はその写真は偽物だとばかり思っていた。一体、ひと目があるビーチで誰が裸で歩き回るというんだろう、って。

「しかも、ここはノース・ダコタなわけだろ?」 どうやら、僕は、ノース・ダコタについて間違った典型例を覚えこんでいたらしい。

アネットは笑い出した。「アハハ! やめてよ! 水着なしで水につかるのは、ここでは、昔からの遊びなのよ。それに、この採石場は、まさにぴったりの場所でしょ? 人が通る道から、ずっと奥に入ったところにあるから」

アネットは僕の視線が気になり始めたに違いない。するりと体を滑らせ水の中に戻った。替わりに僕が岩に上がった。上がる時、ちょっと滑りそうになったが、何とか這い上がる。足を前で交差させ、あぐらをかいた。

「警察は、この場所を摘発したりしないの?・・・怪しいパーティをやってるとか、そんな理由で?」

「あら、そういうのは全然ないわよ。一種の、文章になっていない決まりのようなもの。ただ、裸で水につかること、それだけ。ここでキスする人すら見たことないわ。みんなとっても思いやりがあるの。じろじろ見たりすることもないわ。まあ、時々、誰か新人が来たら、すぐに分かるわね。そういう人はやっぱりじろじろ見たりするから。でも、それも、最初の1、2分だけよ」

僕は岸の方に目をやった。でも、100メートルくらい離れていたので、小さな人影がまばらに見えるだけだった。


[2007/08/13] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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