ゲイルは、僕のピンクのグロスを取り、美しい唇に塗りつけた。それから唇を合わせ、色を唇全体に行き渡らせた。それを見て、僕も同じくすべきであることを思い出した。グロスにより唇が滑るように滑らかになっているのを感じる。舌先で、少しだけグロスを味わう。
ゲイルは刷毛のついたキャップをグロスの小瓶にもどした。
「女の子がグロスを分け合うには他の方法もあるのよ」
突然、ゲイルは引き締まってはいるが、柔らかな体を僕の体に押し付け、グロスを塗った唇を僕の唇に当てた。互いに顔を左右に動かし、唇を擦り合わせる。滑らかな唇が官能的だ。ゲイルは、さらに口を開き、舌を出して、優しく僕の唇を擦った。僕も、この熱気に反応し、ゲイルが舌に力を入れて僕の口の中へ押し込もうとするのを受けて、自分から口を開き、彼女に口の中を探らせた。体から力が抜け、立っていられなくなり、知らぬ間に僕はゲイルのデスクの端に腰を降ろしていた。ゲイルは僕の両脚を開き、股間を僕の股間に押し付けているのに気づいた。
しかし、僕は急に自分がしていることに気づき、ゲイルを押して、体を離させた。
「ゲイル、こんなことはできない。僕は結婚しているんだ。浮気をしてドナを裏切ることはできない」
「ビクトリア? これは浮気じゃないわ。この遊びに私を誘ったのはドナ自身なの。私は、できる限りのことであなたの手伝いをするようにと頼まれているの。今のは、あなたが、ドナと同じくらい上手にキスができるか確かめたかっただけよ」
僕は、ゲイルが言ったことが意味することに気づき、体が凍り付いてしまった。2日前なら、これを聞いて、僕はゲイルに嘘をつくなと怒鳴り、即刻、解雇したことだろう。だが、今日は、僕の世界がさかさまになってしまったようだ。自分は、今、ピンク色のグロスを塗り、ズボンの下には、ピンク色のパンティとガーターベルト、そしてストッキングを履いて、他の女性とキスをしグロスを分かち合っている。それに、昨夜は、妻が他の女性とキスをするのを見ていたし、僕自身、その女性にアヌスを奪われていたのだ。
ゲイルはオフィスのドアへ行き、鍵をかけた。OPENの札を返してCLOSEDに変える。戻ってくると、僕の手を取り、僕のオフィスへ入った。そして、ドアを閉める。
「ビッキー? あなたがどれだけ美しいか、見てみたいわ」
ゲイルはそう言って、僕のシャツを脱がし始めた。