「クリスティーン、契約を取る」 Christine Makes a Deal by The Warthog
その日、ようやく仕事を終え、自宅の玄関ドアを入ったクリスティーンを電話のベルが出迎えた。
「いったい誰かしら?」
美しい若妻は電話へと急いだ。
「もしもし?」
「やあ、クリスティーン!」 男の声だった。
クリスティーンは嬉しそうに答えた。
「まあ、ボブ! こんばんは。でも、今ジムはいないのよ。今夜は講習があって」
ボブは、クリスティーンの夫であるジムの友人で、不動産のブローカーをしていた。
「それは構わないんだ、クリスティーン。実は、君の方に用件があるんだよ」
ボブは、しばらく前から、クリスティーンに不動産物件の紹介を手伝ってくれないかと頼み続けていたのである。多くの女性の物件紹介者たちを知ってるボブは、クリスティーンは、有能な紹介者になれる素質があると考えていた。まだ26歳という若さ。少し引っ込み思案のところがあるが、明るい性格をしている。だが、何より、ボブがクリスティーンには可能性があると思う点は、彼女のルックスだった。非常に魅力的な女性なのである。彼女なら、どんな男の買い手でも、イチコロにできるだろう。背丈は160センチ。ゴージャスな脚に、96-66-96のEカップというプロポーション。赤みがかった茶色の髪が美しい顔を縁取り、瞳は妖しい緑色。だが、これまでボブは、クリスティーンに仕事を変える気にさせることに失敗し続けていた。
「ちょっと聞いてくれ。君に良いチャンスがあるんだよ。きっと気に入ってくれると思うんだ」
「私に家の物件を紹介させたいんでしょ?」
「ああ、そうなんだが、でも、返事をする前に、僕の話を聞いてくれ」
「いいわ」 クリスティーンは、疲れた感じで答えた。
「実は、ジョン・オーエンスという客がいるんだがね。今、ここに来てて家屋の物件を見て回っているんだ。かなり若いんだけど、40万ドルクラスの家を探しているんだよ。僕自身も物件紹介をしてるんだが、今夜、他の予定とバッティングしてしまって、困ってるんだ。君だけが頼りなんだよ。もし、この契約を決めてくれたら、君には、売り上げの3%を出すよ。4X3で12かな? どうだろうか?」
クリスティーンは驚愕した。「1万2千ドルってこと?」
「その通り!」
クリスティーンは、一瞬、そんなお金が入ったら何に使えるだろうと考えた。
「で、私は何をすればよいの、ボブ?」
「彼に見せる物件は2箇所あるんだ。君の仕事は、それぞれの物件について、玄関を開けて、彼を連れて、内部を見せてあげるだけ。君自身が、良いと思ったところがあったら、遠慮なく、褒めるコメントをしてくれるとありがたい。どちらの家も空き家だから、持ち主と話し合う必要はない」
「すごく簡単そうね」
「楽な仕事さ! もし、ジョンに買う気にさせられたら、手数料は君のものさ」
クリスティーンはほんの少しだけ考え、返事した。
「分かったわ、ボブ。やってみる。で、これからどうするの?」