多分、私はまだ納得していない顔をしていたのだと思う。タマラは、すべて、まっとうなことだと私を納得させる必要を感じたようで、説明を続けていた。その頃になって、私も、ようやく、落ち着きを取り戻し、口が利けるようになった。タマラといくらか話しをし、結局、彼女がどのようなことをするのか、実際に私にして見せるということで決着した。
「音楽に合わせて踊るんですよ」
タマラは、バッグの中から小さなラジカセを出し、それにテープを入れて、踊り始めた。かなりビートの利いた音楽で、彼女はそれに合わせて激しく体を動かした。・・・正直、激しく体を動かす彼女に、私は驚いた。ダンスをしながら私の目の前に来て、そのまま、ダンスを続けている。ようやく、音楽が終わり、タマラはダンスをやめた。そして、また、何をするか説明を始める。でも、私は、彼女の説明をさえぎった。
「あなたが、どういうことをするのか、そっくりそのまま見せてくれない? ジェフにおもてなしをするのと、まったく同じように、私におもてなしをして見せて欲しいんだけど」
「いいですよ。私の場合、お客さんには椅子に座ってもらうことにしてます。それに、その椅子に手錠でつながれた状態になってもらうんですよ。外れないよう、しっかりと」
変なの、と私は思った。
「・・・男の人の中には、私が実際におもてなしをしている間に、妙な誘惑に駆られてしまう人がいらっしゃるので、それを防ぐためなんです」
彼女はバッグから手錠を取り出し、どうします? と訊くような顔で私を見た。
まあ、私はタマラがジェフにどのようなショーをしてやるつもりなのか見せて欲しいと言ったわけだし、彼女の指示に従うことにした。タマラは、リビングの中央に椅子を持ってきて、私を座らせ、後ろ手にさせ、手錠で拘束した。それから、再び音楽を鳴らし、ダンスを始めた。