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Entertainment おもてなし (4) 

「あら、ちょっとやり方のポイントを教えてあげてもいいわよ」

「でも、私たちのハネムーンには間に合わないわ」

彼女は少し考えている様子だった。「じゃあ、今夜はどう?」

「でも、今夜はパーティがあるんでしょう?」

「パーティの後よ。10時ごろ。私、あまり遅くまでいないの。遅くなると、いろいろ乱れてくるから」

多分、私は、この話に乗ることに決めた顔つきをしていたに違いない。私を見ながら、タマラは続けた。

「あなたの家の住所を教えて。帰る途中で、あなたのところに立ち寄るから」

結局、彼女に住所を教えた。タマラが出て行った後、私は、この出来事についてじっくり考えた。ジェフがこんなお楽しみを許すことで、自分が、寛大で現代的な女性になったような気がした。それに、彼との関係のことを考え、ちょっとワイルドなことをしようとしている。私は、自分の家に戻り、タマラが来るのを待った。結婚式を控えているのに、他のことが何も考えられなくなっていた。

ちょうど10時になる頃、タマラがやってきた。同じ服装で、同じ、手提げバッグを持っていた。ちょっとおしゃべりをしたが、タマラは、私に、ダンスをして見せてと言った。

「あなたがしたようなこと、全然できないわ」

「うーん、少し、肩をほぐさなくちゃダメよ。何か、アルコール類はない?」

冷蔵庫に、栓を開けたワインが残っていた。

2人でキッチンに行き、ワインを出した。タマラは、グラスを断り、ボトルごと私に渡した。ラッパ飲みするように言う。お酒をラッパ飲みすること自体、私にはまったく馴染みのないこと。でも、何か得るためには、気持ちをリラックスさせなければいけないように思い、やってみた。タマラもラッパ飲みして、また私にボトルを渡し、もう一口、飲むように言った。2回目のときは、少ししか躊躇しなかった。

リビングに戻るとタマラが訊いた。

「何か、特に覚えたい動きとかある?」

「どんな動きがあったか忘れちゃったわ」

「じゃあ、もう一度、踊るから、よく見て、考えてね」

タマラはラジカセを出し、カセットを入れ、再びダンスを始めた。2度目なのに、このときも私は、彼女のダンスの上手さ、セクシーさ、動きの的確さに圧倒された。こんな風にジェフにも踊ってあげたんだと思ったら、急に不安になった。でも、私は何を不安に感じてたのだろう?

「また、手錠を嵌めてくれる?」

心の中の何かが私に、そう言わせた・・・それが何かは今も分からない。

タマラの目が光ったような気がした。軽く微笑むのが見えた。彼女は音楽を止め、バッグのところに行き、手錠を取り出した。そして私のところに来て、椅子に手錠で拘束した。それから、またバッグのところに行き、別のカセットテープを出した。私の家にあるステレオを見つけ、それにテープを入れた。


[2007/09/12] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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