テーブルには、さまざまな化粧品がたくさん並んでいたけど、マリアは自分用の化粧品を持ってきてた。自分のお気に入りのがないと困るから、いつも自分でそろえてくるの、と彼女は言った。化粧用具が入ったバッグをテーブルの一つに置くと、マリアは私の手を引いて、また、入り口の方へ連れて行った。
セットのリビング・ルームに着くと、女の子が一人駆け寄ってきて、マリアに向けて両腕を広げ、抱きついた。マリアとその女の子は、いきなりディープキスを始め、しばらく抱き合っていた。
その女の子は、とても女性的で、とても魅力的な人だった。背の高さはマリアと同じくらい。マリアは170センチはあるが、それよりは3センチほど小さいかもしれない。胸は、マリアの92センチDカップと同じように、大きいし、脚もマリアと同じようにほっそりしている。彼女の人物紹介を読んだら、本当のことが分かると思うけど、顔だけを見たら、彼女が男の子だとは分からないと思う。
2人が体を離すと、その女の子が言った。
「ああ、マリア! マークにあなたがこの映画に出ると聞いた時、私がどんなに喜んだか分かる? 本当に会いたかったわ!」
2人はまたキスをした。
「私も会いたかったわ。あ、あなたにステファニーを紹介するわね。ステフィ? こちらはサミー・ウェイト。私の親友で、大のパーティ好き。サミー? こちらはステファニー」
"
私はサミーと握手をした。サミーがマリアに訊いた。
「彼女も映画に出るの? 共演するもう一人のTガールは、ローレルという名前だと思ったけど?」
「アハハ・・・いいえ、ステフィーは映画に出ないわ。彼女は、ポルノ映画が作られるところを見に来ただけ」
「ええー、もったいない。彼女、とってもキュートなのに! ・・・ところで、彼女、私たちと同じ? 言ってる意味分かると思うけど・・・」
「うふふ・・・ええ、そう。私たちと同じ。まだ、始めたばかりだけど」
サミーは片腕を私の肩に回して、引き寄せた。
「あなたも、マリアや私のように、ポルノ・スターになろうと考えてるの?」
「考えたことありません」 恥ずかしがりながら言った。
「すごく可愛いわよ。マークは、絶対、あなたを映画に出させたがってると思うわ。お金はかなり良いわよ。これなら、セックスをして、お金をもらっても合法的だし」
返事をしようとしたら、マークがやってきた。別の女の子を連れている。この子もすごく魅力的だった。長く美しいブロンドの髪に、ぷッくりとした赤い唇。胸もマリアと同じく大きくて、ぴっちりとしたTシャツの中、はちきれそうになっている。この人が、もう一人のTガールのローレルなのだろうと思ったけれど、彼女が本当の女の子なのか、Tガールなのか、本当に見分けがつかなかった。