その上司が家に着いた。ジェニーによると、その人は48歳で、ベンという名前らしい。ジェニーは僕に出迎えさせた。玄関を開けると、いきなり山のような巨体の男が立っていた。何も言わず、僕を押しのけ、リビングへ向かい、中に入った。遅れて、僕も入ると、ジェニーは、すでにその男と抱き合っていて、ねっとりとしたキスをしていた。
「それで? 変態弱虫ウインプというのは君かね? 私に、自分の妻を抱いて欲しいと言ってるそうじゃないか? 本当かね?」
言葉は乱暴ではなかったが、言い知れぬ迫力があった。
「・・・はい・・・」
僕はおどおどと答えた。自分がいかにウインプであるか、自ら示してしまう。従順に振舞う僕を、ジェニーはくすくす笑った。
「そうか、よかろう。じゃあ、我々は、ここでくつろいでいるから、君は飲み物を用意してもらおうか。後は、私の言うとおりにしているように」
お酒を用意して戻ると、ベンはソファに座っていた。彼の膝にジェニーがまたがっている。2人はキスや愛撫を続けていた。ベンは一旦、キスを解き、グラスを取り、一口、あおった。
「そこのウインプ君、我々の前に正座したまえ!」
僕はすぐに命令に従った。ジェニーがまた笑った。
「もう君も知っているだろうが、私は君の奥さんの体を楽しんできている。それで、これからは、奥さんを私専用の女にしたいと思っているのだ。平たく言えば、君は、今後、ジェニーにおまんこをしてもらえないということだな。君は持ち物が情けないほど小さいそうじゃないか? そして、その弱い性格。君が負け組みになるもの当然だ。分かったかな?」
「でも、ジェニーは僕の妻なんだ!」
「分かったかな?!」 ベンは、一層迫力を込めて、同じ言葉を言った。
「・・・はい、分かりました・・・」 みじめだった。
「よろしい! ハハハ! 君は本当に、役立たずのゴミのような弱虫なんだなあ。君は何者なのかね?」
「役立たずのゴミのような弱虫です」
この時は、ジェニーは前より長々と、大きな声で笑い続けた。
飲み物を飲み終わると、ベンは、2階に上がると宣言した。