翌日、ジャネットは、不満な気持ちのまま職場に出た。
昨夜、ウェインは1時間以上もジャネットの上にのしかかり、打ち込みの運動を続けた。だが、その間、ジャネットが思うことは、クリスの硬い勃起の姿と、彼の放った熱い体液が宙を飛び、彼女の胸に降りかかった情景だけだったのである。
クリスは、ジャネットの様子がおかしいことにすぐに気が付いた。彼自身からは何もできないのだが、彼女の方が、いつも以上にクリスに優しいように思われた。ジャネット自身が、もう、やめようとルールを立てたにもかかわらず、幾度となく、すれ違いざま彼に胸を擦り付けてくる。これ以上、彼女が続けるなら、僕から襲い掛かるぞとクリスは思った。
「今日は、公園でランチを食べない?」
昼近くになり、ジャネットが提案した。
「ええ、いいですね!」 クリスは微笑み返した。「ちょっと、この装置を動かして、洗浄しなくちゃいけないんですが、それが終わったら。僕の車から敷き布を持っていきましょうか?」
「ええ、是非!」
30分後、ジャネットとクリスは、公園で、丘の上のお気に入りの木の下、毛布を広げて座っていた。クリスは、木の下でも、ひとめにつかない方向に毛布を広げた。それだと2人の様子を簡単に見られることがない。ジャネットは、そのことに対して何も言わなかった。
食事の後、2人は寝そべって空を見ながらおしゃべりを始めた。
「で、昨夜はどうでした?」
クリスは意味深な笑みを浮かべながら訊いた。彼はウェインがジャネットの家に食事に来ることを知っていた。
「ええ、まあまあ」 不満があることが分かるような声だった。
「良かったということ?」
「ウェインは優しい人よ。でも、ちょっと保守的過ぎるの。どうやったら彼をオープンに変えられるのか分からないの」
クリスはジャネットの方に横向きになった。腕枕をして横寝になる。彼女がゆったりと呼吸をするのにあわせて、胸が上下に動くのを見た。
「どうやら、世の中には、僕のような男はあまりいないようだね、アハハ」
「残念ながらね・・・」
そう言ってジャネットも横寝になった。クリスと面と向かう。
「君はどうなの? 昨日の夜は私のことを考えて・・・あれをした?・・・つまり・・・」
「オナニーのこと? もちろん!」
ジャネットは微笑んで、クリスの股間へ目を落とした。まったく照れも躊躇いもなく、自然に目をそこにやる。無意識的に彼女は舌なめずりをした。
「もう一度、して見せて!」
小さいが、少し切羽詰った声でジャネットが言った。
「ここで?」
クリスは振り返って、肩越しにあたりを見回した。誰も2人のほうへ来ようとしている人がいないことを確かめて、もう一度、ジャネットを見た。
「ええ!」 ジャネットは囁いた。
「・・・だけど、昨日は僕が見せたわけだし、今度はあなたのを見たいと思うんだけど・・・」
クリスは期待を込めて言ってみた。
ジャネットの顔が急に赤くなった。こういう風な展開になるのを考えていなかったようだった。少し間を置き、ジャネットは、何も言わず、仰向けになり、目を閉じた。