アーチーのピストン運動は執拗に続いた。ジルは、目を閉じ、外の世界を遮断し、この時間が過ぎ去るのをただ待ち続けた。しかし、目を閉じ内に篭ることにより、逆に、内的な体感覚に意識を集中させることになっていた。必死で否定しつつも、望まぬ快感が体の中に生まれているのを感じる。
ダムに溜まる水が多ければ多いほど、決壊した時の威力が大きくなるように、快感も堪えれば堪えるほど、気をやったときの破壊力は大きくなる。ジルの場合がまさにそうだった。
決して感じまいと堪えに堪え続けたオルガスムが、強烈な破壊力で、突然、彼女を襲ったた。
「ああっ・・・・・・!!! うううううぅぅぅ・・・・!!!」
ジルは、突然、大きな唸り声を上げ、同時にぐっと背を反らせた。覆いかぶさるアーチーは、体重が110キロ以上もあるが、その重い体も浮き上がるほどの力で、彼女は背を反らした。あごを上げ、胸を突き出し、えびのように反り返る。ジルは、頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなっていた。
アーチーは、この反応を見て、にやりと笑った。そして、素早く彼女の腰の下に腕を回し、さらに強く彼女の下腹部を自分の下腹部に引き寄せた。なおも、余裕で出し入れを続ける。
ジルは眉間にしわを寄せ、オルガスムの第一波を耐えしのんだ。すでに何も思考していない。身体が自然な姿勢を求めるのだろうか、彼女の白い腕が伸び、アーチーの首を抱き包んだ。細い両足も大きく広げ、男の腰を包み、力強く前後に動き続ける尻の後ろで交差する。女陰を中心に体全体に広がってくる熱を消すため、無意識的に、男の動きにあわせて腰が動いていた。
再びジルが声を出した。前と比べて、力のない声だった。
「あああ・・・・! いや! またっ! また、いっちゃうぅぅぅ!!!」
ジルは連続してオルガスムに達した。体を強張らせ、嫌悪している男であるにもかかわらず、その体に抱きつきながら、2回目の頂点を味わったのである。
2度目の頂点の後、ジルはぐったりと力が抜けたようになった。そして、ゆっくりとではあるが、頭がはっきりとしてくる。彼女は、このときになって初めて、この卑劣な黒人にレイプされたにもかかわらず、オルガスムに達してしまったことを悟った。しかも、まったく経験したことがない強烈なオルガスムを。急に目に涙が溢れ、ジルは、そんな自分を否定しようと激しく頭を左右に振った。
もう1つ、アーチーがまだ出し入れを続けていることにもジルは気づいた。この男はまだ撃ち出していないのだ。ジルは避妊をしていなかった。
「中はダメ・・・、出さないで! お願い。妊娠したくないの! ・・・・外にお願い!」