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報復 第4章 (8) 


「・・・この3回!! 以上が、君が・・・人間関係と言ってよいか夫婦関係と言ってよいか・・・僕たちの関係を裏切った3回だ。僕の知っている限りでの話だがね。バーバラ? 君は連続浮気魔だ。もう習慣になってしまっている。はっは! もう、勘弁だよ! 3ストライクでアウトなんだよ!」

スティーブは語気を荒げて言い放ち、ヒューストン氏の方へ顔を向けた。

「・・・ヒューストンさん、あなたは、一番の問題は何かとお聞きになられましたね? まあ、その答えは、単純です。妻は、結婚式の誓いの時、僕を愛し、敬い、慈しむと誓いました。その誓いをしておきながら、彼女は、誓いのすべてを破ったのです。私を裏切り、2人の夫婦関係を台無しにし、嘘をつき、隠れてこそこそと私をだまし、不倫を重ね、私より他の男を持ち上げた。私は、もはや、こういう状況を我慢することができないのです。あの学生時代に、彼女が私に隠れて浮気をしたとき、あの時すでに私は彼女と寄りを戻すべきではなかったんだ」

「・・・まったく、俺はバカだったよ」 スティーブは苦々しく言った。「こんな女を愛し、彼女も俺を愛していると思っていたんだから!」

スティーブは、あてつけがましくバーバラの方に体を傾け、顔を付き合わせんばかりに、彼女の顔の前に押し出した。

「・・・アハハ、だけど、心配には及ばないよ、バーバラ」 今度は、ふざけた調子で続けた。「もう、僕も学習して、君のことは愛さないようにする。実際、日々、毎日、徐々に、良くなっているんだ。だから、もうすぐ、僕は、これっぽっちも君のことを愛さないようになれると思うよ」

悪意が篭った声だった。バーバラは、夫の放つ言葉や声の調子に込められた激しい感情にひるんでいた。

「・・・僕は君を信用しない。率直に言って、君は嘘つきのアバズレ女だ。誰も、君が言う言葉を信じることなどできないさ。あいつと公園でセックスする気はなかった? あれは嘘。君は、あいつとヤルつもりだったんだよ、最初から! 僕が目にしたことすべて、ビデオに写っていることすべて、君の真意を物語っている。だが、それにもかかわらず、あいも変わらず、君は否定し続けてるけどね」

「・・・それに、君は、あいつと一度もセックスしたことがないと言っていたが、それも僕は信じていない。あの庭園でのパーティだか何だか知らんが、あそこで、あいつが、あからさまに君の太ももの奥に手を入れていたところを写した写真があるんだよ。あいつの手は君のスカートの中に入っていた。そして、あの公園。あそこで君を捕まえた時、あいつはズボンを足首まで降ろしていたんだ。さらに下着からは、一物が出て、外にぶら下がっていた」

「・・・君が僕のことをバカだと思うか、君自身がバカなのか、そんなことは分からない。だが、男というものは、他の男の妻を相手に、たった2、3回会っただけで、ズボンを降ろしたり、その人の体を触ったりはしないものだ。ということは、お調子者のレイフ君は、すでに君とセックスしていたのさ。分かるんだよ。最初は秘密のことだったろうが、あの写真やビデオで、はっきり、明るみに出てしまったんだ。あの日、あいつが車に君を乗せて公園に向かった時、あいつは、望むことがヤレると、この上なく自信があったはずだとね。あいつには、あの公園で、君がアレをしてくれるはずと思える充分、現実的な理由があったんだよ・・・それはつまり、以前にもセックスをしたことがあるから。その実態があるから、あいつは自信があった。そうじゃないのか。だから、もう、あいつとはセックスしてません、なんて嘘を言うのはやめてくれ。君たちがやったのは、明らかすぎるほど明らかなんだよ」


[2007/10/07] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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