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ポルノ・クイーンの誕生 第4章 (17) 

セットの場所に戻ったら、マリアが私たちのところに近づいてきた。

「あら、やっと現れた。あちこち探したのよ。もうすぐ出発するわ。今はマークが私たちに小切手を持ってくるところ。・・・あら、ハイ、ヘレン! ステファニーと仲良しになってきたところ?」

ヘレンは顔を赤らめた。

「ええ、ずいぶん仲良しになったわ。それ、構わないわよね?」

マリアはくすくす笑った。

「もちろん、全然!」 それから私に向かって言った。「ステフィー? もうすぐ出発しなくちゃいけないけど、その前に、お化粧を直した方がいいかも。あなた、まるで、何か濡れたものに顔を擦りつけてきたような顔になってるわよ」

今度は私が顔を赤らめる晩だった。私は急いで化粧室に行った。振り返ると、マリアとヘレンがおしゃべりをしているのが見えた。

化粧と髪の毛を整えて戻ると、マリアはローレルとおしゃべりをしていた。ヘレンの姿は消えていた。

マリアのところに行くと、彼女は紙切れを私に渡した。

「ヘレンからこれを預かったわ。携帯の番号だって。土曜日のことについて分かったら電話してって言ってたわよ。さあ、それじゃあ、みんな、帰りましょう」

私は、マリアが「みんな」と言ったので驚いた。ローレルがマリアの後をついていくのを見て、さらに驚いた。

車では、マリアが運転席に、私は助手席に、そしてローレルが後ろの席に座った。

「ローレルは、カリフォルニアに留まるか、ニューヨークに戻るか決めるまで、2週間ほど私たちのところに泊まることになったの」

「ねえ、あなたたち2人、マークの恋人なの?」 ローレルが訊いた。

「トレーシーも混ぜて4人とも恋人同士よ。でも、もうちょっと複雑かな。ステフィーはマークとトレーシーのメイドで、私はコックをしているのは知ってるわよね。私たちはマークたちと同じ家で暮らしているけど、寝室は別々なの。何だかんだ言っても、女の子には、自分だけになる部屋が必要だもの」

ローレルはフロント・シートにもたれかかって、悪巧みを話すような口調で言った。

「と言うことは、彼の奥さんもこのことをご存知ってわけ?」

私もマリアもくすくす笑った。

「ステフィーも私も、マークたちと素敵な夜を過ごしてることからすると、それにはイエスと答えなくちゃいけないわね」

「私も混ぜてもらえると良いんだけどなあ。ニューヨークにいた時、マークに一度、犯してもらったことがあったの。彼のなら、もう何回か、突っ込まれても良かったんだけど。だって、彼って、女の子をとろけさせる方法をよく知ってるんだもの」

ローレルは夢見るような表情を眼に浮かべて話した。あの表情なら私も知っている。私自身が何回か浮かべた表情だから。

マリアは、道路を見ていたのでローレルの表情は見ていなかったけれど、ローレルの気持ちは理解していた。

「うふふ。その気持ち分かるわ・・・」

その後、私たち3人は、ずっと談笑しながら家に戻った。

家に着くと、トレーシーが玄関に出迎えてくれた。ローレルと握手しながら、彼女は言った。

「まだ私たち紹介しあったことなかったわね。私はトレーシー。マークの妻。ようこそ、私たちの家へ! あなたのバッグとかは、すでにあなたの部屋に運び込んであるわ。これからお部屋に案内するわね」

トレーシーはマリアと私の方を向いた。「あなたたち2人は、シャワーを浴びて、何か居心地が良い服に着替えて。夕食は外に注文してあるの。30分くらいで届くはず。マークが帰ってきたら、みんなで食べましょう」

トレーシーがローレルを連れて行くと、マリアは私を見て言った。

「私、何か着るものを取ってくるわ。あなたの部屋のバスルームで待ってて。私と一緒にシャワーを浴びても良かったらの話しだけど」


[2008/02/25] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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