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バースデイ・プレゼント 第8章 (1) 

「バースデイ・プレゼント」 第8章 

翌朝、目を覚ました僕は、シーツの中、満ち足りた気分で背伸びをした、ゆっくりと頭のもやもやが晴れていく。手を胸に這わせ、胸毛がちくちくとするのを感じながら、昨夜のセックスのことが徐々に頭の中に蘇ってきた。

ドナに、ゲイルと一緒にロープで縛られ、横棒に吊り下げられたこと。段階を踏んで自由を奪われていき、昨日、職場でゲイルと不実なセックスをしたことへの罰として、ゲイル共々、鞭打ちを受けたこと。そして最後に、ドナに大きなディルドでアナルを犯されたこと。その展開のそれぞれのステップで感じた圧倒的にエロティックな感情の数々。

普通なら決して行わないような、数々の性行為へとドナは僕を導き、そんなドナを僕は止めなかった。その行為はあまりにも快感に満ち溢れ、絶頂もあまりにも強烈だったため、ドナの導きに対して僕はほとんど抵抗しなかったのだった。

だが、あらためて考えてみると、僕たちはそろそろブレーキをかけなくてはいけないと思った。事態が度を越えてしまっている。ハイヒールを履いて歩き回ったり、他の女性に女として体を使われたりしているのだ。確かにセックスは大好きだが、もう充分だ。

そう思いながらベッドから這い出ようとすると、ドナが目を覚ましたようだった。

「どうしてこんなに早く起きるの?」 眠たそうに言う。

「仕事に行く準備をしなくちゃ」 そう言って、ベッドの端から脚を出して降りようとした。

「え、どうして? 今日は土曜日よ」 ドナは甘えた声を出し、僕の方に近寄り、両腕を回して僕に抱きついた。

「あ、そうか・・・ちょっとトイレに行ってくる。その後で、また寝なおそう」

バスルームに入り、鏡の前を通った。鏡の中、ブロンドの髪をばさばさにさせ、ナイティも乱れ、化粧もずれた女性が、僕を振り返るのが見えた。

トイレではピンクの下着を降ろし、女性のように便器に座って小便をした。用を済まし、立ち上がって、水を流す。もう一度、鏡を見て自分の姿を確かめた。バカとしか見えなかった。かつらを取り、カウンターに置いた。さらにピンクのネグリジェを脱ぎ、ガーター、ストッキング、そしてパンティも脱いで、同じところに置いた。タオルを取って、水で濡らし、顔から残っている化粧を、できるだけ拭った。

もう一度、鏡の中を見た。そこには、土曜日の朝に2時間ほど早く起きてしまった、胸毛を剃って、ヒゲが生えかかった、眠たげな男が写っていた。

寝室に戻り、ベッドの中に這いながら戻った。ドナが眠たそうに僕に擦り寄ってきて、手を胸に乗せた。すると、急に目を開き、僕を見た。

「私の可愛いビクトリアは、どこに行ったの?」 不満そうに口を尖らせている。

「ビクトリアは、バスルームのカウンターの上に乗っているよ。今ベッドで君と寝ているのはビックだよ」

「うーん・・・分かったわ。また、寝ましょう?」

僕はドナと寄り添いながら、再び眠りに落ちた。


[2008/03/06] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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