始めに、私は、自分が何者で、どうして女の子になりたいか、グループの前で、短くスピーチをしなければならなかった。スピーチは、最初は難しかった。というのも、私自身、どうして女の子になりたいか本当には分かっていなかったら。話すのが難しい状態は、初めて女の服を着始めた時にどんな感情を持ったかを話し始めるまで続いた。私は、女の子の服を着た時に、生まれて初めて自分らしく感じられたと、正直に話した。スピーチが終わる頃には、私はほとんど泣きそうになっていた。
他の人も、どう感じたかを話してくれた。それに、その人たちが、女装をすることで、家族に拒否されたことも。年下の子は、年が若く、まだ両親と生活しているため、いまだ自分を素直に表現することが許されずにいると話した。
ミーティングが終わる頃になると、私はトレーシーとマークに出会って、非常に運がよかったのだと悟っていた。マリアも加えて、トレーシーとマークは、私の支援の点で、非常に素晴らしい環境を作ってくれているのだと思った。私自身が計画して女性化しようとしても、これほどうまくはいかなかっただろう。最初に、トレーシーが私に女の子の服を着るようにさせてくれたこと。その幸運に、私は神様に感謝した。彼女は、最初から、私にそういう側面があることを見抜いていたに違いない。
ミーティングの後、エイクレス先生は私を連れて、彼女のオフィスに行った。オフィスに入るなり、先生は私に尋ねた。
「ステファニー? ホルモンで、何か具合が悪くなったところない?」
「ないと思います。そもそも、何の変化もないように思ってるんですが」
先生は微笑んだ。「まだ、効果には気づかないはず。でも、私が気にしているのは、あなたの食欲と性的な反応なの。まだ、前と同じように、勃起する?」
「食欲は変わりません。あと、性的な反応についても、知る限り、同じだと思います。つまり、何の問題もなく勃起できるということですが」
「そう。それは良かった。あなたのような女の子の中には、食べ物に関して、ホルモンの影響で困る人がいるのよ。食欲が出なくなるらしくて、ものすごく体重を落としてしまうの。もう一つは勃起の件ね。ホルモンによって、ときどき勃起の力が弱くなったり、ペニスの長さが短くなったり、体積が減ったりすることもあるの。そういうことが起きたら、私に話してね。そういった症状を抑える別の薬に変えられるから」
その後、先生は注射器を取り、それにホルモンを注入した。
「あなたの場合、問題はなさそうだから、これから少し量を増やすことにするわ。だから、何か変化に気づいたら、必ず私に話すこと。いいわね」
先生は私に注射をした。
「じゃあ、また来週ね。来週も、今日と同じ話題について話すことになると思うわ。このグループは、まさにそういう話をする場にすぎないかもしれないから」
私は、お尻にかすかな痛みを感じ、財布は200ドル分軽くなった状態で先生のオフィスを後にした。
木曜日、私はヘレンに電話をし、デートの約束を確認した。
「正直、あなたに、デートをキャンセルされるんだろうなって思っていたのよ。そうならなければ良いなあって期待はしていたけど」
2人で、何をし、どこに行くか話し合った。それから着ていく服の話に話題が変わった。ヘレンはジーンズを着るタイプの女の子で、私はドレスを着るタイプ。結局、私が着て行こうと思ってたドレスのことを話したら、彼女も同じようなドレスを着てくることに決まった。
つづく