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デス・バイ・ファッキング 第1章 (11) 

「早とちりしないで。何も、自慰をしなさいって言うつもりはないの。それに、率直に言って、すでに私は、あなたの日々の自慰行為については、知りたいと思う以上に情報を知らされているのよ。私も、自分のことについて、あまり愉快じゃない真実を語ることにするわ・・・」

「・・・私はデートしてないの。まったく! 男性とは、もう3年近くご無沙汰。本当に寂しくて気が狂いそうになることがあるわ。でも、そういう関係を築く時間がないの。本当に。出張の連続で、独りっきりで、見知らぬモーテルに寝泊りすることばっかり。独り、バーに出かけて、独りでいるビジネスマンに声をかけて、ちょっと気晴らしするというのが、どれだけ難しいか分かる? 私は、そういうタイプの女じゃないし。高慢だと思うかもしれないけど、私は、一夜限りの出会いはやらないの。少しでも恋愛関係になっていない男性とはセックスしたことがないの。実際、高慢さとは違うわね。ともかく愛のないセックスは楽しくないということだと思うわ。私自身の緊張をほぐす必要があると感じた時は、自分でした方がずっと良いと思っているの・・・」

「・・・でも今、私経ちはこの状況にいる。あなたが今の状態で困っている状況。そして私はあなたを困った状況から救い出してあげなければならないと思っているのよ。私が言っているのは、こういうこと。つまり、あなたのその緊張状態を、ありきたりな方法で解消してみることについて、どう思う? と訊いているの」

ディアドラは、唇をまっすぐに閉じたまま笑みを浮かべ続けていた。まるで、僕に、ドーナッツでも食べる? と訊いてる感じだった。

僕の方はと言えば、口をあんぐりと開けていたのは確実だった。僕は、ハエが飛び込んでくる前に、慌てて口を閉じた。

ようやく、話す言葉を見つけた。「ありきたりな方法で? ありきたりな!!! はい、そのありきたりな方法で緊張状態をほぐそうという試み、この上なく喜んでしてみたい。今、そう言いましたよね? それともただ僕がそう想像しただけ?」

ディアドラは手を伸ばし、テーブル越しに僕の手を取った。ああ、彼女の手はとっても熱くて、チャイナ・シンドロームの如く融けてしまいそうだ。地球の中心まで、すべてを融かして進んでいけそうじゃないか。

彼女は、優しく、物思いに沈んだ声で、自分の気持ちについて話し始めた。

「私は、この仕事を引き受けたし、振り返ることはしなかった。両目をしっかり見開いて、自分が何に従事しているかをはっきり見極めていた。でもね、私も女だし、男が恋しいとも思っているの。あなたは、ある意味、私に触れるところがあったと言えるわ。男性に惹かれた気持ちになったのは、ずいぶんしばらくぶりになるわ。私は、私とあなたの共同で行う仕事を進展させるために、コンサルティングの祭壇に捧げられたいけにえのようなものとして自分を提供しているわけじゃないのよ・・・」

「・・・正直言って、セックス自体は問題じゃないの。あなたのことが好きだし。とっても好きよ。だから、お互いに何かを与え合うことができるかもしれない。こんな風に話しを持ちかけたことは、これが生まれて初めてなの。あなた、その気がある? それとも、いつまでも劣等感の妄想におぼれたままでいるつもり?」

僕は、どう言えばよいのだろう? 「も、もちろん! その気があります! 僕は、あなたのテーブルから落ちる、どんな欠片でもよろこんで受け取ります。何でも言ってくれ。今日は、朝は自分のことがいやで堪らなかった。だけど、僕のコイツが言うことを聞かないから」

「オーケー! じゃあ、7時に私のホテルの前に車で迎えに来て。一緒にディナーを食べましょう。それから2人であなたの緊張状態をほぐすことにしましょう。それで良いわね? アンドリュー?」

「完璧です。どんなことでも。あなたが望むことはすべて、僕にとっての命令となります」

ディアドラはにっこり笑って言った。「それじゃあ、命令するわね。あなたはリラックスして、仕事に戻ること」


[2008/03/19] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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